UPDATE 2-加ブラックベリー 、身売りなどの可能性検討 株価上昇
(内容を追加しました)
[トロント 12日 ロイター] - カナダのスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリー は12日、合弁事業や提携、身売りなどの可能性も含めた経営戦略を模索していることを明らかにした。
これを受け、株価は中盤の取引で5%強、値上がりした。
ブラックベリーは種々の戦略的選択肢を検討するための特別委員会を設置。特別委は同社取締役で投資銀行出身のティモシー・ダッテルズ氏が委員長を務め、ソーステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)も加わる。
ブラックベリーの株式およそ10%を保有す大株主フェアファックス・フィナンシャル・ホールディングス のプレム・ワトサCEOは、利害対立を避けるため取締役を退く。
ブラックベリーをめぐっては先週、非公開化の可能性を検討していることが複数の関係筋の話で明らかになった。
プライベートエクイティ(PE)業界とつながりの深いカナダ大型年金基金の幹部は、賢明なカナダ年金基金ならいずれもブラックベリーの株式取得やPEとの連携を検討するだろうと述べていた。
新たに設置された特別委に関しては、アナリストから懐疑的な声も聞かれる。同社はすでに1年以上も前に同様の対応策を発表しており、そのためにJPモルガンとRBCをアドバイザーに起用しているためだ。
ブラックベリーはスマートフォンの製造に加え、数々の重要な特許を保持し、高いセキュリティ機能を備えたメッセージシステムなどのサービスも展開している。6月末時点でのキャッシュおよび投資額は31億カナダドル。負債はない。
カナダ政府は同社を「国内の重要企業」と捉えており、海外企業が買収を目指すとなれば、政府による厳しい審査が待ち受けている。政府はこの日、同社をめぐる憶測にはコメントしないと述べた。
ワトサ氏はフェアファックスとして現時点でブラックベリーの株式を売却する考えはないと表明。「(経営戦略を模索する)このプロセスを通じ、引き続きブラックベリーとその取締役会および経営陣を強く支持する」と述べた。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、ティム・ロング氏は「再編によって株価は一時的に上昇する可能性があるが、スマートフォン(多機能携帯電話)市場での大幅なシェア喪失やサービス収入急減からの巻き返しにつながるような変化は見込まれない」と話した。
© Thomson Reuters 2013 All rights reserved.