【世界陸上】新谷、自己最高で女子１万５位入賞

女子１万メートル、終盤までレースを引っ張った新谷（共同）

　◆陸上　世界選手権第２日（１１日・モスクワ）　男子１００メートル決勝が１１日、行われ、世界王者ウサイン・ボルト（２６）＝ジャマイカ＝が今季自己最高の９秒７７（向かい風０・３メートル）で優勝を果たした。２年前の大邱大会ではフライング失格したボルトだが、２大会ぶりの栄冠に輝き、五輪、世界陸上通算で１２個目の金メダルを獲得した。２位は９秒８５のジャスティン・ガトリン（３１）で、世界陸上では８年ぶりのメダルとなった。女子１万メートルの新谷仁美（２５）＝ユニバーサルエンターテインメント＝は五輪、世界選手権を通じた日本人最速タイムの３０分５６秒７０で５位と健闘した。

　女子１万メートルに出場した新谷仁美（２５）＝ユニバーサルエンターテインメント＝が、自己最高の３０分５６秒７０で５位入賞を果たした。「スパート勝負では勝てない」と３５５０メートルでトップに立ち、９５００メートル付近まで集団を引っ張り続ける積極的なレース運び。女性としては異例の体脂肪率を５％台まで絞った体で緩みのないピッチを刻み、次々に有力選手を振り落とした。

　モスクワ入り後「世界中の男性をとりこにするような走りができればいい」と得意の“新谷節”で決意を語った通り視線を集めたが、ラスト５００メートルで優勝したディババ（エチオピア）らアフリカ勢４選手にかわされた。「ほしかったのは結果。メダルを取らないと評価されない」と号泣。

　「私にとって陸上は仕事」。最近はワコールの永山忠幸監督（５３）に指導を仰ぐなど、所属の垣根を越えて独自に練習。結果に対する責任を強く感じ、５位入賞にも笑顔はない。それでも、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん（４１）がねぎらうと、顔をくしゃくしゃにして「私、おいしいもの食べてもいいですか」。不思議ちゃんは切り替えも速かった。