相手は、1800トン級ではあるが半世紀以上前の実力しかない潜水艦をはじめ小型潜水艦や潜水艇、中小水上艦艇となろう。だのに、1800~1200トン級のドイツ系潜水艦を12隻現有(さらに6隻追加取得)、2030年までに3000トン級を9隻も追加配備する。主任務が対水上か対潜水艦なのかも不明だが、後者であれば哨戒機や海底施設型音響監視システム、駆逐艦などとの連携が不可欠だが、そちらの戦力は整備済みとは言い難い。
日本の5分の1のGNP=国民総生産にもかかわらず「ハコモノ豪華主義」に支配され、部品の調達や訓練時間の確保もままならない。斯(か)くして陸海空軍の別なく、自衛隊では理解不能な稼働率に加え、珍奇な故障や事故が続発している。
小欄は40カ国近い軍隊を観てきたが、なぜか“哀愁”漂う軍隊は韓国軍をおいて他にない。(政治部専門委員 野口裕之)