日高川町江川地内の山中で先月25日、山口組系暴力団組員の宋正幸さん(45)の遺体が見つかった死体遺棄事件で、県警と大阪府警の合同捜査本部は11日、指名手配していたいずれも大阪府堺市、無職の男2人を逮捕した。東京都内のインターネットカフェに身を潜めていたところを捜査員が確保。2人は「捨てたことに間違いない」と容疑を認めており、殺人についても調べていく。
逮捕されたのはいずれも大阪府堺市の無職、岡野浩士(32)と小松弘隆(22)の2容疑者。2人は共謀し、7月25日午前5時ごろ、日高川町江川地内、通称「前田団地」と呼ばれる住宅が立ち並ぶ分譲地から南へ約300㍍入った山中に宋さんの遺体を遺棄した疑い。
岡野容疑者と宋さんはガールズバーの共同経営者で、小松容疑者は従業員という関係。捜査本部では,現場から逃走したワンボックスカーの所有者が小松容疑者だったことや防犯カメラの映像から2人が事件にかかわったとみて、今月1日までに全国に指名手配して行方を追っていた。2人が過去に東京都内によく立ち寄っていたことを突き止め、周辺に潜伏している可能性があるとして捜査員を派遣して捜索。ネットカフェやカプセルホテル、漫画喫茶などに手配写真を配布して情報提供を求めていたところ、10日夜、豊島区南池袋のネットカフェから「よく似た男2人がいる」との連絡を受け県警の捜査員が急行。11日午前0時14分、店内にいた2人を逮捕した。とくに抵抗することもなかったという。事件のあと、岸和田市内で車を乗り捨ててから転々と逃走していたとみており、逃走を手助けした共犯者がいないかなど追及していく。今後は、経営を巡ってトラブルがなかったなど詳しい動機等を解明するとともに、これまでの捜査で宋さんは首を絞められたことによる窒息死と判明していることから、殺人容疑でも調べていくことにしている。