2013.8.13 05:06

戦慄KO!山中V4「統一戦やりたい」/BOX(2/3ページ)

強烈な山中(右)の左ストレート。ニエベスをワンパンチで倒した (撮影・山田俊介)

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 戦慄が走った。山中の「神の左」がうなりを上げる。渾身の左ストレートがニエベスのあごをとらえた。腰からコーナーに崩れ落ちた挑戦者は立ち上がれない。ゴングからわずか160秒。堂々の3戦連続KO防衛だ。

 「もう少しやりたかった。お客さんも、もう少し見たかったでしょう」

 リング上で10カ月の長男・豪祐くんを抱き上げながら、息も切らさず、冗談まじりの勝利者インタビュー。ワンパンチで挑戦者をリングに沈めた王者の風格が漂った。

 試合前から自らのKOをノルマとした。この日の相手ニエベスは世界8位。過去3度の防衛戦はすべて王者経験者で、今回は実力差が大きい。KOを有言実行するため、地道に汗を流してきた。2年前から始めた体幹トレに加え、最近はWBA世界Sフェザー級王者・内山高志(33)=ワタナベ=らも取り組んでいるエアロバイクの「パワーマックス」を採用。本来は競輪選手が脚力強化の目的で使うが、これを利用すると下半身を起点として強烈なパワーを生み出せるという。3分間もペダルをこぎ続けると激しい負荷がかかる過酷なトレーニング。大和心トレーナー(38)は「その成果でパワーも上がっている」。1回戦慄KOは必然の結果でもあった。

 一流の強打者の仲間入りも果たした。3試合連続のKO防衛は、日本ジム所属世界王者では歴代5位に並ぶ記録。バンタム級では長谷川穂積(32)=真正=の5試合連続に次ぐ2番目で、最強を証明しつつある。

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