【コラム】日本の外交官から届いた手紙

 しかし韓国が、問題を引き起こす政治家たちと日本国民を同一視するのは問題があると思います。また、安倍内閣のあらゆる動きを「軍国主義の復活」と関連付けて解釈するのも、首をかしげざるを得ません。

 韓国人たちが知るべきことは、安倍首相に対する日本国民の支持が、韓国で考えられているよりもはるかに高まっているということです。「アベノミクス」によって経済が回復していることはもとより、失墜した日本の自尊心を取り戻している、と考えている人が多いのです。好むと好まざるとにかかわらず、韓国は今後数年間、先の参議院議員選挙で圧勝した安倍首相と向き合っていかなければなりません。

 私の経験からいえば、日韓関係が悪化の一途をたどることによって、在日韓国人が被害を受ける可能性が高まります。一部の過激な人たちが主導する反韓デモの矛先が、100万人の在日韓国人に向けられた場合、予想し得ない問題が発生する恐れもあります。

 朴大統領が東京を訪問したり、安倍首相を韓国に招くのを負担に感じるのであれば、各国の首脳が出席する国際会議の場を活用するという手もあります。来月ロシアで行われる主要20カ国・地域(G20)首脳会議をきっかけに、日韓両国の首脳が会って話せば、負担を最小限に抑えることもできるでしょう。

 韓国人でありながら、日本語で短歌を詠んだ女流歌人ソン・ホヨンさんは、このような歌を残しています。「切実な願いが吾(わ)れに一つあり 争いのなき国と国なれ」。ソンさんの願いが実現する日がそう遠くないうちに来ることを願っています。

東京・霞ヶ関の外務省で、外交官Kより

李河遠(イ・ハウォン)政治部次長
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