今日は東京アナウンス学院が卒業生ゲストとして大久保瑠美さんを招いたトークに参加してきました!とはいってもこれ一般ファン向けのイベントではなくて、東京アナウンス学院の体験入学を兼ねて行ったイベントでした。完全に声優を目指している方向けです。アフレコやボーカルの授業体験なんかもあったそうで!
そんなイベントなのでただのるみるみファンな自分は参戦できないと思ってたんですが、Lady Go!水曜日にてるみるみ自身から「ファンの方もきて頂いて大丈夫ですよ!ただし声優を目指す方向けのイベントになるので、質問の内容などは声のお仕事に関するものなどにして頂けると幸いです。」って発言があったので、ちょっと行きたい誘惑が出てきました。
でも「本気で声優になりたい方の席を自分が取ってしまうのはどうなんだろう?」って躊躇もあって行くかどうか強烈に悩んだんですが、twitterで「自分は行くよ!」って声を聞いたりしたので心が傾いたり、あとはるみるみのお仕事や在学中に関する真剣なトークが聞ける機会ってめったにない!って想いが強くて、最終的に申し込んで見ることにしました!なんせ直接るみるみに質問できる機会ですからね・・・諦めたくなかったです!
今回はそんなるみるみのトークレポを書いていきたいと思います。正直普段のるみるみからは中々聞けないような真面目な内容のトークでもの凄く濃密な時間を過ごせました。行くかどうか迷ったけど、本当に行ってよかったなって思います。その内容を一人でも多くのファンの方に見てほしいなって思うので、こうしてレポにさせて頂いてます。断片的な内容になっちゃいますがお許しを(>_<)
今回は直接るみるみに質問をぶつけて返してもらえるってことで、行く電車の中でメモ帳に質問を書きためていったんですが、案の定膨大な数に(笑)聞きたいこと多すぎてメモ帳埋め尽くされてました、そんなに質問出来る訳ないのにw
事前にLGやゆりゆららららゆるゆり放送室の方でも「ファンでも来てOK!」って告知があったのでファンの方もそれなりに来るのかな?と思いながら会場に向かったんですが、周りには真剣に声優を夢見て体験入学に募集したって雰囲気の方ばかりで正直かなり気圧される(笑)
トーク目的のファンでもアフレコ体験とか体験入学手続きを踏まないといけないと思ってたのでめちゃめちゃ緊張してました。試しに家でセリフを言ってみたり、歌を歌ってみたりしたんですがこれが全然出来ない(笑)まあ素人なので当たり前なんですがw
自分でやってみて尚更声優さんって途轍もないなって思いました。声や演技の幅、声の強弱やセリフのタイミングや息継ぎ、それらの微細な部分を様々なシチュエーションに合わせて完璧に表現しないといけない訳ですから、本当に真似できないな、プロだなって再確認させられました。もちろん作品への深い理解や解釈なんかも要求されて、今は歌やイベントでのステージングなんかもマスターしなくてはいけなくて・・・
普段声優さんを応援してると徐々にそれに慣れてくるっていうか、もちろん演技に鳥肌が立ったり感動することは多いんですけど、それが当たり前のものに感じられてきますよね。自分がアフレコ経験をさせられるなんて事態になって初めてその大変さを痛感した気分です。
そんな訳でめちゃめちゃ緊張してもいたんですが、同時に「普通なら体験できないことができる!るみるみやみかしーが通った学校で声優さんがこんなことするんだっていうのを自分も体験できる!」って好奇心も湧いてきて不思議な気分でした。ところが会場に着いてスタッフさんに聞いてみると・・・
スタッフさん「体験入学に参加されますか?それともトークのみにされますか?」
俺「・・・え?」
まさかの拍子抜けでトークのみの参加もできました(笑)一般ファンの方もくるって前提で用意されてたようで。どんな授業やるのか興味深くもあったんですが、周りが真面目に声優を目指している方ばかりだったので、自分がそんな方たちの邪魔をしちゃいけないなって思ってトークのみを選びました。
時間まで外で待ってから会場に戻ってくるとファンと思わしき男性陣もちらほらいて、「自分だけじゃなかった、よかった~」ってちょっと安心しました(笑)ほどなくスタッフさんに呼ばれて上の大教室に集合です!とうとうお待ちかねのトークです!
教室に入ったのが割と早かったので自分は3列目中央よりやや左ってところで、るみるみが来るであろう椅子が間近に見えます。ヤバい、テンション上がってきたwww
最終的には教室は人で満杯になって、壇上には今回進行を務める東京アナウンス学院在学中の女性お二方が登場!やっぱり声優さんを目指してる方だけあって発声が明瞭で声が聞き取りやすかったです。そのお二方から今日の進行について説明が。完全な質問形式で進めていくトークになるとのことで!
てっきりるみるみ自身から在学中から今のお仕事に繋がるまでのお話があって、その後に少しだけ質問コーナーが付くだけかなって思ってたんですが、最初から最後まで質問し尽くしていいそうで!これはるみるみから爆レス貰えるんじゃないかって思ってテンションがさらに上昇してきますwそしてとうとう・・・
司会の二人「大久保瑠美さんの登場です!」
会場が拍手の音で一杯でした!もちろん俺みたいなファンにとっては大興奮だったでしょうし(ファンも礼節を心得て拍手に徹していたのでご安心下さい)それ以上に声優を目指している方にとっては憧れの人が目の前にいるってことで本当に嬉しかったんじゃないかなって思います。
3列目からはるみるみが至近距離で見れて・・・!生で近くから見るといつも写真や動画で見るよりも格段に可愛くて、本当に失神しかけました(笑)
教壇の上に置かれた丸椅子に座るも「足が届かない・・・(笑)」って言ってるるみるみがめちゃくちゃ可愛かったですw
さて、ここからは質問タイム。まずは進行役のお二人からひとつずつ質問が。もちろんこの二人にとってもるみるみは憧れの人だったでしょうから、直接質問できるなんてもの凄く貴重な体験ですよね!まずは・・・
司会の方1人目「お仕事されていてプレッシャーにあった時ってどのように対応してますか?」
確かにオーディションで成果を出さないといけなかったり、プレッシャーに尽きないこの業界だからこその質問です。声や歌の表現に関してではなく、敢えてこれを聞くっていうのも納得です。
るみるみ「私ってあんまり顔にプレッシャーが出ないんですよ。本当はめちゃめちゃ上がり症で、今ももの凄く緊張してるんです。プレッシャー出ちゃってる時は無意識にお腹さすったりしてますね。ただそれが顔に出ないので周りの方には気づかれないんですよ。なので普段は緊張してないフリのまま通しちゃってます。」
そしてもう一方の質問。
司会の方2人目「在学中に心に残ってることってありますか?」
自分も聞きたいことが多いだろうに、来てくれてる声優志望の方に向けてこういう質問を用意してくれたのかなって思うと優しさと心配りを感じる質問です。
るみるみ「一番心に残ってるのは部活で演劇をやってたことですね!自分はそこで部長やってて、朝の9時から夜の9時までみっちり稽古してました!」
在学中から自分の好きなことに没頭してる姿が伝わって来ました。応援してて真面目な部分すごくあるなって思うことは多いですが、凄まじい努力家精神だなって驚嘆してしまいました。もちろんその努力があってこそ今のるみるみがいるんだなって感じました。
ここからは会場から自由に質問できることに!みんな最初はちょっと躊躇いながらも手を上げます!やっぱりるみるみに直接質問したい人ばっかりで会場のほとんどから手が上がってました。
まずは入学に関する質問から。
「来年から入学予定で、そうなると一人暮らしになるんですが大久保さんはどのように在学中生活されてましたか?」
るみるみ「私は両親の家から通ってたからあんまり参考にならないかもしれないけど、さっきも言った通り夜までびっちり稽古してたから、その流れで部活仲間の家に泊まって翌日の打ち合わせとかしてました。単身でこちらに来られた方は寮に泊まるケースが多いと思いますよ!」
一日みっちり練習したら家に帰って休みたくもなるものだと思うんですが、そこでもまた部活の続きをやっていたなんて本当に驚きです。一流の声優さんを目指すにはもちろん他のことをかなぐり捨ててでも練習に没頭するストイックさが必要なのは承知していたつもりでしたが、流石にここまでの努力をしていたのかと思うと空恐ろしい気分になります。
次の質問。
「在学中にとっていた授業は何ですか?」
るみるみ「○○先生のアフレコの実習なんか取ってました。あとこの学校ユニークな授業多いのでいろいろ取ってましたね~、ジャズバレエとか(笑)腹話術とかバラエティに尽きないのでみなさんもいろいろ取ってみて下さいね。」
確かに今の声優界、一芸あると個人アピールに使えますけど腹話術とか誰得なんでしょう(笑)でもそれだけ好きな授業が取れる自由度の高いカリキュラムになっているんだなって思いました。
さて次へ!
「今自分は養成所に通っていないんですが、家で声優になるために練習できることってありますか?」
るみるみ「う~んと、それはすごく難しいと思います。発声とか滑舌とかだったら教科書が売ってるので隣近所に迷惑にならないレベルで練習できると思いますよ(笑)ただやっぱり一番のおすすめはこういう学校に通って、そこで日々吸収した内容を家で練習するってことだと思います。自分もそれを日課にして在学中はやって来ました。」
さらに次の質問!
「在学時に一番苦労したって経験があったら教えてください。そしてそれをどのように克服したのかも教えて頂けると嬉しいです。」
「さっきの部活で一年の時は先輩に頼れてよかったんですが、二年の時は自分が部長だったので大変でしたね。特に後輩が練習に来なくて電話かけたら「稽古が辛いです・・・」って言ってるのを説得したり(笑)ちなみに今でもその後輩とは仲良くしてるんですよ~!」
朝から夜までみたいな稽古ならドロップアウトしたくなる人が出てくるのも当然ですし、それを部長として纏め上げるのは大変だったんだろうなと思います。もうひとつ・・・
「あとはゼミですね。私がとってたアフレコのゼミの最後の課題としてアニメを二本作るんですけど、それを実際と同じようにオーディション形式でやるんです。実はその時普通のオーディションにも受かってて少しながらお仕事貰ってたりしたので、その両立が大変でした。でもそういう時に何とかやってこれたのは、学校で一日中練習してた経験が活きたからだと思います。今も凄く忙しいんですがやっていけるのも同じ理由だと思います。」
本当に声優として大成するまでに必要な努力の量は途方もなく大きいのだと感じました。もちろんプロを本気で目指す方だけが入ってくる業界なのでみんな覚悟は出来ているのかもしれませんが・・・短い期間の中で成果を出さなくてはいけなくて、プレッシャーと時間に追われながらその中でどこまで自分を磨けるか・・・まるでトップアスリートの世界のようですらあります。本当に厳しい業界なんだなって痛感しました。でも昔の自分の頑張りが今の自分に繋がるって素敵なことだと思うので、分野は違えど俺も負けてらんないなって思いました!流石にそこまでストイックにはなれないけど(笑)
次の質問にまいります!
「自分は声優になりたいんですがまだ自分の中でアクションを起こせてません。大久保さんは声優になりたいって最初に思った時にどういうアクションを取りましたか?」
るみるみ「自分は高校の時に進路を問われて迷ってる時にたまたま声優っていう道に興味を持って入学したんですが、まだその時は「絶対に声優になってやる!」って思ってた訳じゃないんです。でも入学して演技の授業を受けてる内に「演じるってこんなに楽しいことなんだ!」って言うことに気づいて。授業も面白くてどんどん夢中になっていって、そこで初めて声優を志したんです。なのでここにいらっしゃる方の大半と順番が逆だと思うんですよね。」
同じ質問者さんからもうひとつ。
「親から反対とかされましたか?」
「実はうちの両親声優になることに大賛成してくれたんです(笑)最初思い切って「声優になりたい!」って母に言った時も、二つ返事で「いいんじゃない?」って言われて。あとで父から聞いたんですけど、これまで堅実で逆に言うと確実に出来ることにしか手を出さなかった娘が(高校も確実に受かるところを選んで、それでも毎日ひたすら勉強してたらしいです)初めて先の分からない世界に足を踏み入れたいって言ってるのを聞いて「面白いんじゃないだろうか」って思ったそうなんです。」
両親の愛情を感じるエピソードにちょっぴり心を動かされてしまいました。娘にもっと幸せになってもらうために、変わっていけるように、そして娘が好きな道に進んでいけるように協力しようって素敵な親心だなって思います。もちろん普通はなかなかそんなこと言えないと思うので勇気あるなって敬服しちゃいます。確実にご飯を食べていけるように、安心して生きていける道に子を導くのも親の愛ですが、愛情の形にも色々あるんだなって思いました。
その子に「ちなみに反対されてるの?」と優しく問いかけるるみるみ。そこには昔の自分と同じ夢を持つ子たちを精一杯応援したいっていうるみるみの優しさが溢れ出ていました。「今はちょっとだけ話しただけなんですが・・・」と口をつぐんでしまうその子を「反対されてもそれでも声優になりたいんだって言い続けてこの仕事に就けた人がたくさんいるからね!」と励まして心からのエールを送っていました。
長くなっちゃいましたが次の質問へ♪ここからは学校に関することから普段のお仕事なんかに関する質問を!
「声のお仕事以外にもいろんな分野で活躍されてますが、それに関してどのように感じてらっしゃいますか?」
るみるみ「例えば歌なんかは最初ものすごく苦手で、カラオケで人前で歌ったことすら無かったんです。流石にこれじゃまずいなって思って、アナウンス学院に入ってからJPOPの授業取って練習しました。オーディションの時にも「試しに歌ってみて」って言われて一瞬ドキッとしたんですけど「授業でやった通りにできたら成功するはず!」って自信があったので、それで歌ったら合格することができました。あとは今はラジオやニコ生なんかもあって。アニメの役では出せない等身大の自分を出すことが出来て、その上いつも応援してくださっているファンの方々に直接メッセージを伝えることが出来るのが嬉しいです。」
歌やラジオ、イベントなんかも含めてファンとの関わり方が多様になっている声優界。それだけ求められる資質の数も増えますが、その分声優さんとしても挑戦のしがいがあったり、楽しみの場が増えたりしてるんだと思います。自分も声優ファンとしていろんなメディアを追っかけていますが、その人の色んな表情を知れたり、人柄に深く接することが出来るのが魅力だなって感じてます。これからもどんどん活躍の場が増えていくことを期待しています!
次の質問にいきましょう!声優を志したばかりの少女からの質問ってこともあって会場が和やかな雰囲気になってました(笑)
「自分はゆるゆりのちなつちゃんで大久保さんのことを知って、それ以来可愛い声だなって思いながら聞いてるんですが、大久保さん自身は自分の声のことをどう思っていますか?」
るみるみ「自分の声がどうだってあんまり考えたことがないので凄く難しいです。昔から声がうるさいとか声が高いとか言われることはあったんですけど、自分の声が好きとか嫌いとか考えたことがなくて。入学して演技を実際にやるようになって初めて「自分ってこんな声なんだ」って気付きました。でも、これは他の声優さんでもよく言う話なんですけど、アニメとかで自分の声を聞いても自分の声だけ浮いてるように聞こえちゃうんです。スタッフさんとかに確認すると「しっかりはまってるよ!」って言われるんですけどね。」
声優さんによくあるように自分の声にコンプレックスを抱いていた、みたいなことは全然なかったそうで。そうすると尚更自分の声を分析するような機会なんてないのでこの質問は答えにくかったんだろうと思います。
「色んな役柄を演じてらっしゃる中で、特にこの役には心がこもるぞって瞬間はありますか?」
るみるみ「例えば5分ものの脇役であろうと、30分ものの主役だろうと、朝アニメの役であろうが、ゴールデンだろうが深夜だろうが、どの役も自分にとっては同じくらい大切な娘のような存在です。なのでどの役に力を入れて、どの役に力を抜くって話じゃないですね。どれも同じくらい力を入れて演じたいと思っています。ただ自分が好きなキャラ、最近ならムシブギョーの火鉢とかは演じてて自然に心に力が入るって気はしますね。」
面白い質問も色々飛び出しました(笑)例えば・・・
「トップ声優でい続けるにはどうすればいいんでしょうか?」
それ多分るみるみ本人が一番分かってないことだと思うんですけどwwwあまりにもあっけらかんとした質問に会場爆笑wるみるみも苦笑まじりに答えます(笑)
「自分がトップ声優だとは全然思えないんですけれど、ただ思うのは自分を好きだって言ってくれる人は演じてる自分を、声を出してる自分を一番好きになってくれていると思うので、これからも声を通してみんなにメッセージを届けていきたいです。」
先月行われたゆるゆりのなちゅまつり東京の昼公演で4人のメンバーが一人ずつ自分の想いを手紙に書いて朗読するってコーナーがあったんですが、その時も「日頃の感謝をこれからも声優のお仕事や歌を通して返していけたらいいなって思います。」って言っていたるみるみ。それを思い出して、るみるみの自分のお仕事に対する想いの堅さを感じてちょっぴりうるっときました。
こんなユニークな質問も!
「在学時のみかしーはどんな人でしたか?」
同じく東京アナウンス学院放送声優科出身で、るみるみと同じくゆるゆりで大ブレイクした三上枝織さんについての質問でした(笑)あくまで声優業に関する質問限定の中、スレスレのグレーゾーンでしたが、一応在学中のエピソードってことでこれはセーフみたいだったようです(笑)
るみるみ「みかしーは自分より一年先輩なんですけど、実は在学時は交流がなかったんですよ。在学中から先輩にすごい人がいるって噂は聞いていたので、美しくて優秀な先輩ってイメージだった。まさかあんな子だとは思わなかったです(笑)意外だって言われるけど、私人見知りが激しくて、在学時も部活にしか友達がいない感じだったんです。授業にはちゃんと出るんだけど終わると誰とも話さずすぐ教室から帰っちゃう感じだったのでレアモンスターって言われてました(笑)」
ラジオとかで快活に話しているのを見ているだけではまさかそこまでの人見知りだとは思わなかったのですが、逆に言うと今の声優界ってそれだけ溶け込みやすく、人見知りな声優さんにとっても居場所って言えるくらい暖かい場所なのかもしれません。
さてさて次の質問へ。
「アフレコで実際にキャラを演じる時に心がけてることがあったら教えて頂けると嬉しいです。それともう一つ、もの凄く多忙な日々を過ごしてらっしゃると思うのですが、オフはどのように過ごされているのでしょうか?」
るみるみ「心がけてることがあるとすると、それはキャラは自分なんじゃないってことですね。あくまでキャラっていうフィルターを通して自分の声を出して演じてるんです。もう一つあるとすると、自分でこのキャラはこう演じるって決めてても、もうちょっと違う方がいいとか言われることって結構あるんですよ。その時は柔軟に変えてくことも大切なんです。キャラソンを歌う時も出来る限りキャラ声で歌おうとするんですが、キーが高すぎて声が変わっちゃうって場合もあるんです。その時はクライアントさんとしっかり相談して「もうちょっとこんな感じの方がいい。」って言われたら難しいキーで練習したりして。自分の声の幅の中でここからここまでが出るっていうのを自分でしっかりと掴んでおいて、その中で今回はこのくらいでいこうって決めてます。」
キャラはあくまで自分ではないっていうのが、これまでの豊富な経験の中からるみるみが見つけ出した答えなんだなって思いました。これはトップを走る声優さんに共通して言えることだと思うんですけど、自分の仕事に関してしっかりと思想や信念を持ってその旗印の下に役柄を演じてるんですよね。これまでの試行錯誤の中で演技はどうあるべきかってことを哲学的に追究しているからこその答えだと感じました。
あとキャラ声で歌えないキーがあるっていうのは素人的には全然知らなかったので純粋に驚きました。確かに言われてみれば想像はつきますが・・・自分の可能な声のレンジを把握してその中でコントロールしていくっていうのも客観的な自己分析なしには成立しないことですよね。この辺りも本当に尊敬するしかないです。
るみるみ「あとオフに関してですけど、特別なことは何もしてないです(笑)最近は美容にはまってます。あとは・・・う~んともっぱらアニメ見てますね(笑)」
普段が多忙だからこそ、ある意味オフでのストレス発散の仕方が上手いっていうのはあるんだと思うんですが、特別に心がけてることはないそうです(笑)逆に言うとそれだけ気楽に過ごして溜まった疲れを抜いてるんでしょう。そして何よりアニメの仕事をする人はアニメが大好きですよね!自分の関わってる世界が大好きだからこそ役柄にも熱がこもるんだと思います。何より愛情かけて演じてくれてるんだなっていうのが伝わってくるとファンとしても嬉しいですよね!
同じく心がけについてもう一つ質問!
「在学時から今までずっと持ち続けてる心がけみたいなものってありますか?」
るみるみ「演じることは楽しいことなんだって気持ちだけはず~っと持ち続けてます。どんなに大変だったり忙しかったりしてもその気持ちがあるからここまでやってこれたんだと思います。」
一時間ほどのトークでしたが、その言葉の端々から聞こえてきたのが「楽しい!」ってことでした。これだけ多忙な生活を送ると嫌になったりしないんだろうかって思っちゃいますが、オンの時も自分の好きなことをやってるからこそ、この仕事をずっと続けていけるのでしょう。忙しいっていう意味では大変だけど、凄く幸せな生き方なんだと思います。
個人的に思うことなんですが、自分の好きなことでも最初に感じた「楽しい!」って気持ちを持ち続けることって案外難しいことなんじゃないかと思います。プロになりたい一心でストイックにやりすぎてプレッシャーを抱えてしまったりしたら最後には演じるのが嫌になっちゃう人だっているのではないかなと思うので。分野は違えど自分もそんな経験をしたことがあるので「楽しい!好きだ!」って初心をずっと忘れず持ち続けられるるみるみにちょっぴり憧れ、また羨ましくもありました。
だんだんトークも終わりの方へ・・・次の質問です!
「自分はこうなりたいっていう目標をどんな感じで設定してますか?」
るみるみ「実は今は目標をあまり設定しないようにしてるんです。目標を持ってそれに向かって走っていくっていうのは素敵なことですが、それって裏返せば余裕がないってことでもあると思うんですよ。そうすると結果も出にくくなるし、他にも一緒に仕事してて楽しい人って慌ててる人よりも落ち着いて仕事を楽しんでる人だと思うんですよね。だから目標を設定するとしても、それに向かって焦りすぎないのが大事だと思います。」
実直なるみるみにしてはかなり意外な解答でしたが言われてみればなるほどと唸らされるものがありました。るみるみみたいなタイプの人なら具体的に目標を設定して、それに向けて計画を組んで練習に励んでるのかなって思っちゃいますが真逆でした。その部分までストイックにしてしまうと精神的にも持たなくなるし、何より一番大切な「演じるのが楽しい!」って気持ちを失うことにも繋がってしまうのかもしれません。こんな柔軟さがあるからこそ、これだけ厳しい世界でも走り続けていけるんだなって思いました。
次の質問。ところが・・・
司会の方「お時間迫ってきてますのでこれで最後の質問になります。」
トークが始まったのが4時、この時が4時50分を回ったところだったので「もうちょっとだけあるかな・・・」と期待してたんですが、流石に多忙なるみるみだけあってこれで最後となりました。
最初の方はみんなちょっと躊躇いながら手を上げていたんですが、後半になればなるほどみんな必死で手を上げてくるようになってました。大勢いる中で質問できるのは時間の許す範囲で出来る限り多くって感じでしたが、それでも一時間だと人数は限られていて・・・もちろん自分も毎回手は上げていたんですが、これまで近くの別の方が選ばれて悔しい想いをしたりしていました。ですが奇跡はやってくるのです・・・!
司会の方「これまでは私達が質問される方を選んできましたが、最後ということで大久保さんが選んで頂ければと思います!」
みんな「はい!はい!」
もうみんな必死です!前の質問が終わったと同時に早押しゲームの如く手が上がって「はい!」って大声でアピールする人もいるくらいでした(笑)俺も「最後に祈りが届いてくれ・・・!」って想いで必死で手を上げました。顔で「お願いします、自分当てて下さい、お願いします(>_<)」ってアピールしてました、というか口はお願いしますって動いてましたw
るみるみ「じゃあ・・・今日一番遠くからきたって自信がある人!」
突然みんな自信がなくなったのか手を引っ込める。るみるみ苦笑w
るみるみ「それじゃ再度挙手!」
みんな「はい!はい!」
この時俺は神に祈りました・・・お願いします、こんなチャンス二度と来ないから、と。そうしたら・・・
るみるみ「じゃあ一番真っ直ぐ手を伸ばしてるから、そこのキミ!」
自分の方に手が指されたのは気付きました。でも一瞬「自分なのか!?でもこれまでは2個隣の人とか一列後ろの人だったし・・・」と色んな考えが巡って頭クラクラしました。すると・・・
るみるみ「そこの腕時計をしてる方ですよ~!」
俺「まさか・・・!」
周りを見ても腕時計をしてるのは自分だけ・・・ってことはまさか!何とるみるみより直々に指名を頂いてしまいました・・・!感無量です、もう死んでもいいです(笑)
咄嗟に「ありがとうございます!ありがとうございます!」って何度もお礼してしまいました。スタッフさんから手渡されたマイクからの第一声が「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」だったなんて誰にも言えないwww大久保さん、学校スタッフの方々本当にご迷惑をお掛けしましたm(_ _)m
もちろん声優業に関する質問限定ということはるみるみのラジオで聞いていましたし、ここに集まっていらっしゃる声優志望の方が聞いても参考になるような質問をと考えてきたので、真面目なことを質問させて頂きました。とは言ってもそういう質問を山ほど用意してきていたので、どれを読むかは悩みました。今までの流れで同時に2つの質問までならOKだったので、特に気になった2つを僭越ながらお尋ねさせて頂きました。
まずは一つ目。
俺「声優業で様々なキャラクターを演じてらっしゃる中で、確実に自分とは違うキャラクターに出会うことってあると思うんです。そうなると自分の中だけじゃ分からない他者について日頃から観察なさってるんじゃないかと推察致します。その他にも先輩の演技から新しいものを吸収したりとか。そういったインプットと、逆にそうして吸収したものを自分の演技にどうフィードバックさせてらっしゃるのか気になります!」
言うまでもなくお気付きかとは思いますが、質問文がめっちゃ長くて、しかも内容がめっちゃ抽象的です(笑)声優を志したことのないただの一介のアニメファンとして思い付いたのってこんなもんなんだ・・・皆さんどうかお許し下さいm(_ _)m
しかもこれまだ一つ目ですw次が二つ目、こいつも長いです。
俺「今の時代って声優さんのパーソナルな部分にも注目が集まってるので、その役柄をその通りに演じるってだけじゃなくて、その中に自分らしさを出すって要素も重要なんじゃないかなって思うんです。でも先程仰っていたようにキャラは自分ではないというのも事実なので、その辺り他者を演じるってことと自己表現のバランスをどのように取ってらっしゃるのか是非ともお聞きしたいです!」
レポを読んで下さってる方の中にこのイベントに参加された方がいたらその方に、そして何よりるみるみに心からお詫び申し上げたいんですが、欲が出て思いっきり質問をねじ込んでしまいました。こんな機会二度とないって思っちゃったらつい熱が入ってしまったんです、ご理解下さいm(_ _)m
とんでもなく長い内容の質問を2つぶつけられて内心混乱しながら苦笑するるみるみwww会場も半分笑ってるwwwホントお許し下さい・・・w
それでも内容を整理しながら真摯に答えてくれるるみるみの心の広さに救われました。
るみるみ「最初の質問ですけど、吸収に関しては一朝一夕にできるものじゃないし、例えば仮にこの先輩の演技がすごいなって思っても、それを自分が演じてみるとスタッフさんからダメだって言われて上手くいかなかったりするんです。その方が演じて素晴らしいものでもそれを私がそのままやってもそれは真似しただけに過ぎないですし、真似したとしてもそれが素晴らしい演技になるかは分からないんです。結局自分自身で模索していくしかないんじゃないかと思います。」
スタッフさんからダメだって言われたことがあるとは言ってたので、るみるみ自身人のいい演技を自分の役で試したことはあるみたいなんですが、それが必ずしも上手く言った訳ではなかったそうで。個性的な周囲を真似して回っても結局没個性に陥るだけで、最終的にはいかに自分の中で見つけ出していくのかってことだそうです。
るみるみ「そして二つ目なんですが、これは場所によりますね。ラジオとかだったら完全に自分を出しても大丈夫だったりするんですが、役柄を演じる時は一切自分を出さないように気をつけてます。自分を出しちゃったらそれはもうそのキャラクターじゃないと思うから。よく「このキャラは瑠美ちゃんそのものだね!」なんて言われることがあるんですが、自分では決してそんなつもりはないんですよ。こんな感じで大丈夫でしょうか?」
俺「ありがとうございます!」
もちろん質問の最後にはみんなお礼して返してたんですが、この時欲が働いたというか、衝動を止められなかったというか、ついでに早口で・・・
俺「なちゅまつり最高でした!応援してます!」
って言ってしまいました。そしたら・・・
るみるみ「ぶっ込んできたな!(笑)」
るみるみからツッコミ頂きました!もう嬉しすぎて三途の川百回くらい巡ってもいいような気分でした(笑)
これで質問コーナーは終了!最後にるみるみから今日参加したみんなへのメッセージが一言ありました!
るみるみ「数年前は自分が体験入学でそっちの客席側に座っていたんです。それが今はこっちの教壇側に立つことができていて。この中からもきっと無事デビューを果たしてこの場所に立てる子が出てきてくれるって応援してます。演じるっていうのはすごい難しいことだし、私もまだ全然掴みきれていないんだけれども、同時に本当に面白いことでもあるんです。それを今日一番伝えたかったです!ここにきてもらったみんなに演じることの楽しさが少しでも伝わってたら嬉しいです。ここにきた人の中には、声優になりたいって方から私のトーク目当ての方とか「るみるみ見てきたぜイェイ!」って言いたかった方まで3パターンいらっしゃるとは思うんですが、そうやって楽しんでやっていくことが明日に繋がっていくと思うんです。演じることを楽しんでる昔の自分がいなかったら決して今の私はないと思うから。明日からもそんな気持ちを胸に元気に生き生きと過ごしてってほしいなって思います!」
満場の拍手の中教壇を横切って出口へと向かっていくるみるみ。最後に扉の辺りで笑顔で手を振ってくれてみんな振り返す!るみるみは扉の奥へと去っていき・・・短いようで長い1時間のトークが終了しました。個人的には爆レスを貰えたりるみるみ自身から最後の一人に選んでもらえたり、おまけにツッコミまで頂くという最高のご褒美にしばらくぽかーんと放心してました(笑)
もう一つ嬉しかったのが、教室を出て行って階段を降りて行く時に学校のスタッフさんらしき人に「最後に答えてもらってよかったね!」って声をかけてもらえたことでした。多分傍目からもよっぽど嬉しそうに見えたのだろう・・・w「本当に感無量でした、ただの大久保さんのファンの分際で来てしまってですみません」って言ったら「そんな方々に今ウチの卒業生たちが支えられてるからね!」って言ってくれて・・・!本当に心が広くて優しい学校だなって思いました。
トーク前に待ってる時も入学したいっていう子達の相談に親身にのってるのが聞こえてきたりして、生徒想いのいい学校なんだなって感動しました。もちろん厳しい業界だからこそ優しくしてはダメって考えもあるのかもしれませんが、厳しい中でも前を向いて一歩一歩進んでいく生徒たちを全力で支えていこうとするその姿勢は心に響くものがありました。るみるみも言ってた通り楽しくなかったらやっていけない世界だからこそ、その楽しさを少しでも伝えるべく優しく親身に生徒たちを応援しているのだと感じました。
競争が激しく、生き残りすら厳しい業界の中で声優を目指す人が急増してる現状を見てきて「大丈夫だろうか?この中でもの凄く傷つく人たちが沢山いるんじゃないだろうか?」と憂慮してきましたし、今もその気持ちはあるんですけど、その中でそんな夢追い人達の背中を優しく後押しする姿を見ることが出来てすこしほっとしました。今回のイベントに参加できて嬉しかったのは何よりるみるみのトークを直接聞けたことなんですが、学校の教育理念に対する共鳴できたこともそれに引き続きすごく嬉しかったです。
最後に全体の感想を。何より印象に残っているのはトーク中のるみるみの表情が真剣そのものだったことです。普段ラジオとかだと明るくて、テンション高くて、芸人気質まで見せちゃうるみるみですが、今日はそんな表情はどこにもなかったです。その原因を辿ると多すぎてキリがないんですけど、考えられるだけ挙げてみると・・・
1つには少しでも声優を本気で目指してここに集まった人たちの力になりたい、応援したいって気持ちがあったんだと思います。昔の自分と重ねて考えて、尚更頑張って欲しくて・・・業界的に全員が生き残れる訳じゃないのも重々承知しているからこそ、それだけ何とか成功してほしいって祈りがあったように思います。
2つめはある意味でるみるみの素の真面目さが出たからだと思います。普段メディアに出る時とは全く違った表情が見れて、またるみるみの新たな一面が見れたなって感じました。異様なまでのストイックさだったり、はたまた柔軟さであったり、上がり症な側面であったり人見知りな側面であったり・・・その一番根本の真面目なるみるみの表情が見れた気がします。
3つめはプロ意識でしょうか。自分の仕事に対する信念を語るその姿にはプロフェッショナルしか見せない職人気質のようなものを感じました。自分の仕事に関して考え抜き、追究した結果として今の自分があって。もちろんその追究は現在進行形で、試行錯誤の中これからも変わっていくであろうことを予感させました。
もちろん他にも色々あるんですけど、特に感じたのはその3つであったように思います。真面目というと、常に硬い表情をして語っていたように伝わってしまうかもしれませんがそんなことは全然なくて、時折笑いを交えたりするいつものファンサービス旺盛なるみるみの姿も見れました。そして何より感じたのが過去の自分と同じ想いを抱きながら歩んでいる人たちへの優しさでしょうか。一人ひとりに話しかける時のその笑顔にはまるで親が子供を見守るときのような優しさが溢れていました。会場のほとんどが年下であるはずなのに敬語で暖かく語りかけてくれて・・・るみるみの謙虚さの表れでもあると思いますし、夢を持って突き進んでいく人への敬意や共感の表れでもあったと思います。
トークまでの待ち時間の間に待合室を歩いていた時に見つけたるみるみのインタビュー(ゆるゆりデビュー当時)から印象に残ったことを書いて締めさせて頂きます。
「ある方の言葉なんですけど「努力は必ずしも報われる訳ではない。だが成功を収める人々はすべからく努力している。」って。本当にそう思うんですよね。でもその努力する道筋をどれだけ楽しめるかが一番大切なんだと思います。」
まさしく今日のイベントで大久保瑠美さんが伝えたかった全てがこの言葉の中に凝縮されているように思いました。声優を志した全ての人々に成功がもたらされる訳ではないけれども、その努力が決して無駄にはならないことを心より祈っています。新しい世代を作り出していく才能が今日の会場からも生まれていくことに期待しながら・・・乾杯!
~完~