福士加代子選手は世界選手権に5大会連続で出場しているが、女子マラソンで出るのはいまモスクワ開かれている世界選手権出場が初めてだった。初挑戦で銅メダル…。スタートこそ一番後ろだったが、競技場を出てからはスルスルと前に上がり、33キロを過ぎた地点で3位の選手に追い抜きそのままゴールした。
「金メダルだと思っていた。メダルの色が少し変わってしまった」と軽口をたたいた。
直前の高地合宿にも持参してビタミン・ミネラル補給
福士が陸上競技を始めたのは高校に入ってからだった。恩師で陸上競技部顧問だった安田昭信氏は当時の福士をこう話す。「大会などで負けると、悔しくてメソメソ泣いている子でした。そこで『負けたことに負けるな』と励ましました。以来、メソメソすることがなくなり、なぜ自分が負けたのかを冷静に考えられる選手になりました」
司会のみのもんたは夏休み中で、代役の井上貴博アナがモスクワにいる世界選手権パリ大会の女子マラソン3位の千葉真子に「福士選手の強みはどこでしょう」と聞く。千葉はヒジキと書いたフリップボードを示し、「長距離ランナーは練習やレースでビタミンやミネラルなどが流出し体力が低下します。福士選手は大会直前にスイス行われた標高2200メートルの高地合宿からひじきを持ち込み、失われた栄養分を補うようにしていました」と解説した。
勝っても負けても、レース後のおどけた福士がまた魅力的なんだよなあ。