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【警告】 マイホーム購入から自己破産まで 【大和編】
ライター:t_2001t_furuさん(最終更新日時:2012/11/4)投稿日:2012/7/29 アドバイス受付中!
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プロローグ
自分の城を持てば嫌でも頑張れるから....。
奥様にそう言われて住宅購入してしまい挙句の果てに自己破産した夫婦を数えきれないほど見てきました。
ファイナンシャルプランナーのブログを見ると、
「家賃と同じ支払いでマイホームが手に入る。という業者の言葉に騙されるな!!」
「頭金は購入価格の2割以上が必要」
「変動金利はリスクを理解している人だけが利用するべき」
のようなことを言っています。
まあそれはそれで間違いではありませんが、いまいちピンとこないですよね?
実際にマイホームを購入して住宅ローンを払ってみないとわからないと思います。
でもそうなってからでは後戻りできない。
そこで、マイホーム購入により転落人生を歩むことになったある男の話を書いてみることにします。
これを読めばマイホーム購入を考えているアナタにとって冷静に購入プランを見直すきっかけができると思います。
主人公はマイホーム主義者のロウアーミドル
小沢二郎(仮名)
会社員
年齢37
年収500万(手取り年収は360万)
30代半ばで結婚。
結婚当初はアパート暮らしだったが
2年後に妻と義父に半ば強引に勧められてマイホーム購入を決意。
夫婦の貯金は100万。
実の親から100万、義理の親から50万の援助あり。
軍資金は250万
二郎は悩んでいた。
住宅ローンとは言え多額の借金。
契約書にハンコを押すに際し精神的に追い込まれて体重10キロ減。
しかし年齢的にも後が無い。
この超低金利の時代。まさに買い時と言えるのではないか。
住宅ローンだってきっと払っていけるはず。
住宅ローン減税という制度もあるけど期間限定。だからこそ利用しない手は無い。
しかも老後は終の住処が必要。
仮に建物が老朽したって土地は残る。
マイホーム購入という選択は決して間違っていない。
注意
何にでも言えることだが、一度買うモードになると止まらない。
人のアドバイスも受け付けない。
住宅購入してしまえば後は何とでもなると考えがち。
冷静になるべきなのだが、すぐに冷静になれるぐらいなら苦労は無い。
注意
住宅ローン減税は期間限定とあるが、住宅を買わせるための政策であり、減税額の上限は変動するも廃止されることはまず無い。
住宅ローン減税が期間限定と聞いて住宅購入を急ぐのは愚かである。
注意
低金利とあるが、低金利時代は物件価格が上昇する傾向がある(物件価格が高くても低金利という理由で需要があるから)
低金利時代に買うのが賢い選択とは限らない。
妻が選んだ土地に注文住宅を建てることにした。
せっかく大きな買い物をするのだから、妥協なんてしたくない。
納得のいくものを手に入れよう。
いよいよ契約
契約金を現金で150万支払った。
キャンセルしてもこのお金は戻ってこない。
もう後戻りはできない。
決して有名なHMじゃないけど、実績がある工務店を選んだつもりだ。
図面を何度も書き直させて、ようやく着工にこぎつけた。
将来は子供が2人欲しい。だから子供部屋も2つにした。
着工の遅れに伴う家賃と住宅ローンの二重払いの危機もあったが、
工務店に乗り込んで
「誠意を見せろ!!」
と恫喝してやり着工を急がせつつ、銀行に相談して住宅ローン支払いの開始を遅らせてもらった。
注意
着工が遅れたのは工務店が悪いわけではなく、図面を何度も書き直させた施主(二郎夫婦)が悪い。
住宅ローン借入先は都市銀であるMほ銀行。
審査は無事通り、借入額は4000万、変動金利で35年払い。
二郎は大企業ではなく中小企業に勤めているので金利は最大引き下げではないもののそれでも1.15%、返済方法は元金均等型。
住宅ローン支払い開始時は月々11万5000円、ボーナス月10万加算。
完済予定は72歳。
ポイント
住宅ローンを組む際の諸費用など(例)
・火災保険 30年分 \250,000
・地震保険 1年分 \15,000
Mほ銀行はローン保障料、団体信用生命保険料については金利に含まれているので考えなくて良い。
ようやく着工。そして基礎、骨組みと出来上がっていく。
日を追うごとに自分の城の形が見えてくる。
完成が待ち遠しい。
ポイント
ここでかかってくる費用
・地鎮祭、上棟式 \100,000~
・水道などの引き込み工事費用 周辺の環境にもよるが数十万円ほど
着工して約半年。
ようやく完成。そして引き渡し。
あこがれのマイホーム生活が始まった。
この家の何もかもが新しい。
自分たちだけのこだわりの空間。
賃貸には無いこの満足感は何物にも代え難い。
駅からは歩いて13分。
これならさほどの不便は感じない。
むしろ適度な運動になると言えよう。
軍資金は100万残ったものの、こだわりの新築に見合う家具などの購入であっという間に底を尽きた。
ポイント
37歳時 月々の収入・支出
【収入の部】
・手取り \300,000(会社からの家族手当、通勤手当、残業代含む)
収入合計 \300,000
【支出の部】
・住宅ローン \115,000
・光熱費/通信費(ケータイ含む) \25,000
・固定資産税+都市税÷12= \13,000
・社食 \10,000
・通勤定期 \17,000
・二郎のこづかい \20,000
・家族の食費 \30,000
・消耗品 \5,000
・ガソリン代 \5,000
・遊戯費 \10,000
支出合計 \250,000
これだと月に5万余るから繰り上げ返済に回せる。
こづかいは少なく、かなりガチガチに切り詰められている。
(神経質な妻が1円単位で家計簿をつけている)
でも憧れのマイホームを見れば多少の我慢は苦にならないはず。
注意
切り詰めるのは結構だが、1、2年は我慢できても10年、20年となれば話は別。
今後は予想外の収入減、支出増が二郎一家を苦しめることになるかもしれない。
マイホーム生活が始まって半年後。
ハガキが届いた。
住宅取得税納付のお知らせだ。
ポイント
住宅取得税とは住宅購入時に一度だけかかる税金。
今回の場合、住宅購入額 × 3% × 1/2 = 60万
寝耳に水とはまさにこの事。
夏賞与は不況の煽りで大幅カット!!
60万なんて大金を用意するのは困難。
今回は義父に頭を下げて30万借りることができ急場は凌げた。
義父の温情で返済は半分の15万で良いと言われた。
いつか返さないと。
固定資産税、都市税は分割払いにしているが、3か月に1度は\39,000払うのだ。
これは建物が減価償却されて少しずつ安くなるがゼロにはならない。
住宅を維持していく限りこれが続く。
住宅ローン減税で年間40万ほど戻ってくる。
それは確かに嬉しいことだ。
しかしながら、住宅ローン減税は期間が限定されている(最長10年)
金銭的な悩みは尽きないが嬉しいことだってある。
念願の第一子が生まれたのだ!!
二郎は思った。
「住宅ローンなんて俺が頑張れば完済できる。息子のためにも俺が弱音を吐いてどうするんだ?」
実親、義理の親から10万ずつお祝いを頂いた。
チャイルドシート、ベビーカーも妻の頑張りでタダ同然で入手できた。
国からの子供手当も\13,000/月が支払われる(3歳になるまで。それ以降は\10,000/月)
世の中が僕ら家族に味方しているようだ。
ポイント
38歳時(妻・息子の3人家族)の収入・支出
【収入の部】
・手取り \300,000(会社からの家族手当、通勤手当、残業代含む)
・子供手当 \13,000
・住宅ローン減税÷12= \33,000
収入合計 \346,000
【支出の部】
・住宅ローン \115,000
・光熱費/通信費(ケータイ含む) \25,000
・固定資産税+都市税÷12= \13,000
・社食 \10,000
・通勤定期 \17,000
・二郎のこづかい \20,000
・家族の食費 \30,000
・消耗品 \5,000
・ガソリン代 \5,000
・遊戯費 \10,000
・養育費 \20,000
支出合計 \270,000
注意
ただし次のような+αの支出もあり。
月々に換算すると\15,000ほど。月々の実質的な支出合計は\285,000となる。
毎年の支出:
・クルマの税金(年1回) \39,000
・地震保険(年払い)\15,000
2年に1回の支出:
・車検代 \150,000
これならじゅうぶんやっていける。
かなり切り詰められているのは否めないが。。。。
(二郎の趣味は草むしり、テレビでの野球観戦。お金のかかる趣味は持てない。)
しかし人生には追い風もあれば逆風だってある。
月々にして数千円程度だが住宅ローンの支払額が上がっている。
金利が上がっているからだ。
注意
変動金利は金利の見直しが半年に1回(4月・10月)実施される。
半年ごとにビクビクすることに!
多少の覚悟はしていたが実際に上がると辛い。
10数年後のために修繕費を積み立てなきゃ。
子供が小学生になると習い事も行かせたい。
てかなんで義務教育なのに給食費を払わないといけないんだ?
ポイント
子供1人当たりの年間の教育費(学校&習い事)の平均【年間】
・幼稚園 公立: \230,000 私立: \ 540,000
・小学校 公立: \310,000 私立: \1,390,000
・中学校 公立: \480,000 私立: \1,240,000
・高校 公立: \520,000 私立: \ 980,000
幼稚園から高校まで公立オンリーでも、子供1人あたり月に3~5万は出費あり。
これで住宅ローン金利が上がったら後が無い。
私立に通わせると破綻決定!!
大学は高校と比べ物にならないほどカネがかかることも忘れずに。
そして12年後
二郎は課長に昇進していた。
そして息子は中学生になった。
ポイント
50歳時(妻・息子の3人家族)の収入・支出役職:課長
手取り年収:450万
【収入の部】
・手取り \340,000(会社からの家族手当、通勤手当、役職手当含む)
・子供手当 \10,000
・住宅ローン減税 無し
・妻のパート \70,000
収入合計 \420,000
【支出の部】
・住宅ローン \125,000
・光熱費/通信費(ケータイ含む) \25,000
・固定資産税+都市税÷12= \10,000
・社食 \10,000
・通勤定期 \17,000
・二郎のこづかい \30,000
・家族の食費 \40,000
・消耗品 \5,000
・ガソリン代 \5,000
・遊戯費 \10,000
・養育費 \50,000
・繰り上げ返済のための貯蓄 \40,000
支出合計 \367,000
注意
ただし先に述べたような+αの支出もあり。月々に換算すると\15,000ほど。
月々の実質的な支出合計は\382,000となる。
想定外の出費が多く、思ったほど貯金はできていない。
注意
想定外の出費は様々。
知人の結婚式、壊れた家電/ケータイの買い替え、医療費、子供の進学時の備品など。
妻がパートで少しは稼いでいるものの、繰り上げ返済に充てるため殆ど余らない。
繰り上げ返済で完済年齢を72歳から65歳まで早めたい。
最低でも500万は繰り上げないと。
クルマも15年落ちだしそろそろ買い換えたいが無理。
車検代も馬鹿にならない。
九州への帰省も3年ほどしていない。
旅行?最後に行ったのがいつかすら覚えてない。
修繕費も必要なはずだが貯まっていない。
このままじゃシロアリに喰われてしまうかもしれない。
しかしこの給料と支出では修繕費なんて貯まるはずも無い。
住宅ローンの返済だけで精一杯。
金利上昇によりローン開始時より月々の支払額は多いし住宅ローン減税はとっくに終わっているからだ。
注意
修繕費は戸建てだと10年で200万が目安(外壁、水回りの補修、シロアリ対策など)
本来ならこの金額も確保する必要あり。
ここまで金銭的に逼迫してくると、せっかくの憧れのマイホームもただのカネ喰い虫。
新築時の輝きも無いため疎ましく思えてくる。
50歳でありながらローン返済はまだ20年残っている。
むしろここまでマイホームを維持できたのが奇跡とまで思える。
こんな状態で本当に息子を育て上げ、住宅ローンを完済できるのだろうか。
高校になれば学費は大幅に上がるし大学のことを考えると恐ろしくて眠れない。
でも親の都合で子供の将来の選択肢を減らしたくない。
二郎の苦悩は止まらない。
【鳳凰編へつづく】
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