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政府、韓国ロビー対策に着手 情報戦の体制強化 李前大統領の竹島上陸から1年

夕刊フジ 8月12日(月)16時56分配信

 島根県・竹島に、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が上陸して10日で1年がたった。日本政府は国際司法裁判所(ICJ)への共同提訴を求めているが、不法占拠する韓国側は拒否し、竹島や慰安婦をめぐるロビー活動を激化させている。安倍晋三内閣はこれに対し、韓国の不当性を国際社会に訴える「情報戦」への体制強化に着手した。「反日」なら何でもありの韓国を国際的に孤立させる、反転攻勢に乗り出す。

 「李前大統領の竹島上陸は、結果的に対外発信の重要性を日本人に思い知らせた」

 安倍首相の外交ブレーンでもある、宮家邦彦・立命館大客員教授はこう語り、李前大統領の暴挙が日本外交に変化をもたらしたと指摘する。

 特に、安倍政権は発足後に「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」を設置。7月2日にとりまとめた報告書では、竹島問題は「韓国内でナショナリズムのシンボル」であると位置づけ、「韓国がICJへの付託を拒否している点について、国際社会における疑問を喚起すべき」と訴えた。

 懇談会委員も務めた宮家氏は「昨年はこういう取り組みを聞かなかった。安倍首相のイニシアチブだ」と評価する。

 具体的には、学術レベルの英文資料作成や海外シンクタンクへの日本人研究者派遣などを提案。安倍内閣は「できるものから、どんどん来年度予算に反映させる」(政府高官)方針で、これまで、遠慮がちだった竹島問題への取り組みを一変させる構えだ。

 国際世論戦では、慰安婦問題でも動きが出始めている。

 米カリフォルニア州グレンデール市に、慰安婦を象徴する少女像を設置する問題では、これまで動きの鈍かった日系住民が立ち上がった。設置許可を議論する市議会の公聴会では、韓国系住民5人が賛成意見を述べたのに対し、日系25人が反対を訴えたのだ。

 背景には、岸田文雄外相が今年5月、ロサンゼルスを訪問して日系米国人の有力者と会談し、米国内の世論づくりに協力を求めた経緯がある。

 結局、グレンデール市では、少女像設置が決まってしまったが、外務省幹部は「こういう取り組みが徐々に効果を生む。本当はもっと早くやるべきだったが…」と手応えを感じている。

 竹島に上陸した当時、李前大統領は兄の李相得(イ・サンドク)元国会議員が不正資金事件で逮捕されるなど、政治的な苦境に立たされていた。宮家氏は、竹島上陸について「反日で国内世論に訴えなければ、政権が持たなくなっていた」と分析する。

 その結果は、竹島に関する日本人の意識を覚醒させ、「外交として大失敗」(宮家氏)であったのは明白。日本にとって8月10日は、国際世論づくりの重要性をかみしめる「屈辱の日」となりそうだ。

最終更新:8月12日(月)17時19分

夕刊フジ

 

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