兵庫県警がスキャンダル封じで告発者らを脅迫
【2012年07月28日公開記事】
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『インシデンツ』で連続追及している兵庫県警スキャンダル。告発者で明石市在住の建設業Yさん(41歳)らは、兵庫県警本部の監察官室や捜査第2課にも事情を説明している。
しかし、監察官室や捜査第2課は身内の不正を取り締まるどころか、Yさんらに圧力をかけて口封じをしようとしているのだ。
2012年3月ころからYさんらは捜査第2課の警察官らに尾行されるようになった。「尾行」といっても、警察用語で「強制尾行」といわれるもので、あからさまな尾行を続け、対象者の行動を制限したり、精神的な圧力をかけたりするのが狙いである。
1996年、筆者も警視庁と暴力団との癒着を取材中に同庁公安部公安総務課の警察官らから「強制尾行」を受けた。秘匿すべき取材先に行くことができないなど、影響は大きかった。このときは、なんとか取材を完遂し、『週刊文春』(文藝春秋)で記事にした結果、警察官2名が免職、上司らも処分された。
Yさんらによると、「強制尾行」はレンタカーやスクーターも含む車両約10台を使った大がかりなもの。「イシイ」「オノ」「キタ」「ナカムラ」という事情聴取などで顔を合わせた警察官らも従事しているという。
「3月2日のことです。私が神戸駅でタクシーに乗ろうとしたら、尾行してきたナカムラが『俺も乗せてくれ』と乗り込んでこようとするんです。押し問答のすえ、タクシーに乗るのをあきらめ、JRに乗りました。その間もナカムラはずっとついてきます。新長田駅で降りてダッシュし、迎えに来てくれた知人のクルマに飛び乗りました」(Yさん)
Yさんと仕事上のつき合いがある女性は、こう話す。
「介護の必要から母親のマンションで生活していますが、警察は近くの駐車場にクルマを停めて、何カ月も監視しています。先日は郵便ポストをチェックしているのを目撃しました」
また、別の知人女性も言う。
「警察は、私が経営する店まで来て、『○○さんはいますか』と尋ねるんです。しかも、私が不在とわかると、『店の外で待たせてもらいます』と。従業員もお客さんもビックリしますよね。それだけでなく、息子の自宅や会社まで行くものですから、親子関係もギクシャクしています」
上記の女性2人は精神的なダメージが大きく、心療内科に通っているという。
筆者は兵庫県警県民広報課に対し、Yさんらを尾行・監視する理由を質問した。しかし、県民広報課は「お答えはできません」と対応した。
現在、Yさんらは兵庫県警に法的手段を講じる準備を進めている。
【写真】Yさんらを「強制尾行」する警察官(6月24日撮影)。
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