TPP:国益確保に時間の壁 交渉官に緊張感
毎日新聞 2013年07月23日 22時52分(最終更新 07月24日 01時03分)
鶴岡氏は1976年外務省入省、北米2課長や国際法局長などを経て、経済担当の外務審議官を務めた経済外交交渉のプロ。抜群の英語力と条約・国際法に精通していることが強みで「主義主張を容易に曲げないタフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)として海外の当局者から一目を置かれる存在」(政府筋)だ。分野別交渉官の選抜では、鶴岡氏自らが英語で面接したといい、国益を懸けた交渉への決意をうかがわせた。
交渉団が省庁横断の大規模な陣容となったのは、交渉が関税撤廃のほか、投資、環境、競争政策など計21分野にも及ぶため。日本に先行し交渉してきた米国など11カ国は各分野で高いレベルの自由化を目指しており、時間が少ない中、輸出拡大に向けた攻めと同時に、国内農業を守る厳しい戦いを迫られる日本はオールジャパンの態勢作りが必須だった。