TPP:国益確保に時間の壁 交渉官に緊張感

毎日新聞 2013年07月23日 22時52分(最終更新 07月24日 01時03分)

 日本のTPP参加は、鶴岡首席交渉官が秘密保持契約にサインした瞬間に始まった。交渉参加国には「通常の通商交渉と異なり、極めて厳格な情報管理が求められる」(外務省幹部)。一方で交渉の行方は産業界から国内農家までさまざまな利害に関わり、食品規制などは国民生活に影響を与える。政府はTPPが求める厳格な守秘義務と、国民の理解を得るための説明責任のはざまで難しい調整を迫られそうだ。

 鶴岡首席交渉官が署名した保秘契約には、交渉中にやりとりした書簡や提案などを協定発効から4年間秘匿しなければならないことが明記されているという。また、協定の素案や交渉経過をまとめたテキストを読めるのは、登録されたごく一部の交渉関係者に限られる。

 実際、TPP参加で大きく出遅れた日本は外務省や経済産業省の官僚らが事前に交渉の進捗(しんちょく)状況を探ろうと国際会議などで参加国当局者に接触したが「見事なまでに中身が見えなかった」(政府関係者)。

 厳格な情報管理は米国の意向が反映したものという。米オバマ政権は通商交渉をめぐって議会と緊張関係にあり、輸入関税撤廃には米自動車業界の反発が強い。「途中段階で情報が漏れれば、交渉を進められなくなる恐れがある」(通商筋)からだ。

 「交渉で何を言ったか、何を話し合ったかは一切申し上げられない」。23日の交渉初参加後、記者会見した大江博首席交渉官代理は会合でのやりとりについて沈黙を通した。それがTPPの流儀。しかし、農業団体などの反対を押し切って交渉参加に踏み切った安倍政権には、国内で情報開示を求める声が高まっている。「政府は難しいハンドリング」(関係者)を迫られそうだ。【宇田川恵】

 ◇鶴岡氏 タフネゴシエーター

 マレーシアでのTPP交渉初参加に向け、政府は外務、経済産業、農林水産など省庁横断的なチームを結成。事務局を内閣官房に置き、広報窓口も一本化した。100人からなる大交渉団を束ねるのが鶴岡首席交渉官だ。

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