自民党は昨年衆院選に続き、今回の参院選でも大勝し、１３県で衆参の選挙区選出の国会議員を独占することになった。いずれも農村部を多く抱える改選数１の１人区で、かつて自民党の地盤と言われていた地域。逆に議席を大幅に減らした民主党は、１９県で衆参を通じて選挙区選出の国会議員がいなくなる。

　自民党は参院選前、群馬、福井、山口の３県で衆参選挙区の議席を独占していた。今回、３県の議席を守ったうえ、民主党から秋田、石川、徳島、長崎の４県で計４議席、生活の党など民主党以外から青森、富山、島根、愛媛、佐賀、宮崎の６県で計６議席を奪い、独占県を１３とした。

　このうち青森、富山、石川、福井、島根、山口、徳島の７県は、衆院小選挙区で落選した他党候補の比例代表での復活当選を１人も許していない「完全独占県」となった。

　自民党は昨年衆院選で小選挙区に議席を持たない都道府県はゼロになったが、参院では非改選議席を含め、岩手、山梨、三重、滋賀、奈良、鳥取、岡山、高知の８県で議席を持っていなかった。今回、岩手では、現職の無所属が勝利し、非改選議席は生活が保持。その結果、参院で自民党が議席を持たないのは、岩手のみになった。

　一方、民主党は衆参通じ１２県で「空白」だったが、新たに７県で議席を失い、１９県で民主党が「空白」となった。山形、栃木、佐賀、長崎を除く１５県では衆院比例代表で復活当選した衆院議員もいない「完全空白県」となった。【朝日弘行】