ステロイド外用剤は皮膚バリア機能を障害する、は本当?嘘?
よく脱ステロイドのブログで、『ステロイド外用剤は皮膚バリア機能を障害する』ので、ステロイド外用剤を使うべきではない、という主張を見かける。
だが、直接的な証拠となる研究を見たことがなかった。
今日紹介するのは、アトピー性皮膚炎の患者さんにステロイド外用剤であるベタメタゾン(日本のアンテベート)と、免疫抑制剤のピメクロリムス(プロトピック軟膏と同系統の薬)を1日2回、3週間外用して、皮膚バリア機能などの観察を行った論文である。
結論から書くが、この論文では『ステロイド外用剤が皮膚バリア機能を改善させた』ことが証明されている。
脱ステロイドのブログに書いてあることとは逆だ。
それでは、皮膚バリア機能に関連する結果を引用する。
TEWLの測定と、dye penetrationという実験法の2種類の方法で、皮膚バリア機能をみている。 Different effects of pimecrolimus and betamethasone on the skin barrier in patients with atopic dermatitis |
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2013/7/20(土) 午後 4:21
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コメント(5) ※投稿されたコメントはブログ開設者の承認後に公開されます。
はじめまして。
ステロイドのことを調べていたらこちらのブログにたどり着き
始めの記事から何日かかけて一気に読ませていただきました。
とても参考になり、ありがたく思っております。
そして、ずっとこのブログを続けていらっしゃることに
cam_engl様のアトピーの方たちへの愛を感じました。
これからもよろしくお願い致します。
2013/8/9(金) 午後 8:49 [ fi_*e_*i_*a ]
外用の軟膏を使用することで、もろい角層の目が塞がり、一時的にはTDWLが低下したとは考えられませんか?
外用の影響が完全に解除されたあとの皮膚本来のバリア機能にどう影響するのか気になります。
2013/8/10(土) 午前 9:29 [ みいいい ]
匿名でコメントをくださった方へ
いつも応援のコメントありがとうございます。
このブログは、応援してくださる方々のコメントに支えられております。
引き続き、有意義なブログになるよう努力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2013/8/10(土) 午後 5:40 [ cam_engl ]
fi_*e_*i_*aさま
コメントありがとうございます。
このブログにたどりついてくださる方がいると、励みになります。
また、いらしてください。
2013/8/10(土) 午後 5:52 [ cam_engl ]
みいいいさま
コメントありがとうございます。
TEWLの測定はガイドラインに沿っているとのこと。そのようなことで検査が成り立たなくなるような方法では調べられてはいないと思います。
そして、TEWLの結果では、ステロイド外用剤は3週間連続で下り続けていますが、ピメクロリムスは1週間目以降TEWLがほとんど変わっていません。このような差がでることから、軟膏が角層の間を塞いだという物理的影響ではなくて、薬効そのものでTEWLが改善したと考えられます。
お考えは理解できますが、その可能性はないでしょう。
2013/8/11(日) 午前 9:36 [ cam_engl ]