クローズアップ2013:大阪都構想、制度設計案 財政効果かき集め 市政改革・民営化、「まやかし」批判も

毎日新聞 2013年08月10日 大阪朝刊

 橋下徹大阪市長が掲げる大阪都構想の「青写真」となる制度設計案が9日、公表された。大阪府・市は都構想による財政効果を最大1000億円近くと試算したが、都構想との関係に疑問符が付くうえ未実現のものも多く、早くも議会や市内部から「まやかしだ」と批判が出ている。都構想が争点となる9月の堺市長選も見据え、効果をアピールする橋下市長だが、議会や有権者の理解を得られるかは不透明だ。【津久井達、村上尊一】

 「もっとしっかり効果額を積み上げてほしい」。府市関係者によると、橋下市長は先月、都構想の制度設計を担う大都市局の職員らに号令をかけた。

 橋下市長や松井一郎知事は就任当初、都構想で年間4000億円の財政効果を生み出すとの目標を打ち出したが、構想が具体化すればするほど、思ったような効果が見えてこない。一部の職員らは疑問を感じながらも、市民サービスを廃止・縮小した市政改革プラン(237億円)や、市営地下鉄の民営化(275億円)、ごみ収集の民営化(79億円)などを効果額に加えていったという。

 今月上旬、職員らが最終的な効果額を説明すると、橋下市長が今度は「議員に説明するのが難しい。市議会では持たない」と戸惑った様子を見せた。しかし、大都市局幹部らが「(市長として)やってきたことを効果と言わずにどうするんですか」などと説得すると、最終的に了承したという。

 1000億円近くに上る効果額を公表した9日。橋下市長は記者団に「大きな大きな節目だ」と胸を張った。しかし、試算した効果額と都構想の関係の薄さを指摘されると、「議論しても仕方ない。今までの府市を改めるなら、それでいいじゃないですか」と反論。「経済効果も合わせて3、4兆円という数字を出している有識者もいる。そういう議論に修正しないと、非常に小さな議論になっている」と、将来的な効果を盛り込むべきだと主張した。

 だが、議会は冷ややかだ。自民市議は「統合効果ではない。地下鉄などは明らかに関係ない」と疑問視。協力が期待される公明市議でさえ、「効果額に市政改革を含むのは疑問だ」と、自民と同様の疑問を呈した。

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