九回、今成はバントを失敗(撮影・白鳥恵)【拡大】
(セ・リーグ、中日5-6阪神=延長十二回、14回戦、7勝7敗、10日、ナゴヤドーム)自らのタクトで掘った墓穴を選手たちが埋めた。薄氷を踏む勝利ではない。采配が裏目、裏目、また裏目…。会見場に現れた和田監督は“自虐”に疲れていた。
「もっと早く決着をつけないといけない試合だった。ミスにつけいることができなかった。相手がミスしてくれているのに、お返しするミスを連発して、もつれた試合になってしまった」
延長十二回、4時間55分も要する展開ではなかった。最大のミスが3-3の九回無死一、二塁。二失、犠打野選で得た好機だった。だが、指揮官はベンチにバントの名手・関本が控えているにもかかわらず、8日の広島戦(マツダ)で犠打を失敗していた今成に託した。
「(関本の選択肢は)もちろん、それもひとつだけど。(今成には)バントしかなかった」
自ら大声で呼び止め、アドバイスを送った効果もなく、捕邪飛。一死一、二塁で大和にはランエンドヒットを仕掛け、最悪の三振ゲッツー。クリーンアップの前に策におぼれ、まさかの「0」が刻まれた。