勤務中にスーパーで万引したほか、被害届などの公文書を隠したとして、四日市南署は九日、窃盗と公文書毀棄(きき)の疑いで、同署刑事一課の男性巡査部長(34)を書類送検した。県警は同日、巡査部長を停職三カ月の懲戒処分とし、巡査部長は同日付で依願退職した。
県警監察課によると、巡査部長は五月、同僚が捜査車両で待機中に四日市市内のスーパーで万引し、警備員に通報された。その後の調べで、同市内の別のスーパーでの万引も発覚したが、四日市北署員が「犯意がない」と判断し、当時は立件されていなかった。巡査部長は署員に対し、職業を会社員と偽って申告していたという。
巡査部長は「家庭内のストレスで万引した」と窃盗容疑を認め、公文書毀棄容疑も「書類の訂正を命じられたが、時間がかかってしまったため、自分の評価が落ちると思って隠した」と認めている。
送検容疑は五月中旬の二回、同市内のスーパーで、子供服や食料品など計十二点(販売価格約八千七百円)を盗んだ疑い。また平成二十四年三月―今年五月、窃盗事件の被害届などの公文書九通を、自宅や四日市南署更衣室に隠した疑い。
公文書は、巡査部長が前任の四日市北署で平成二十一年度中に作成し、二十四年三月に四日市南署に異動後も隠し持っていたという。捜査への影響はなかったらしい。
県警の赤坂正行警務部首席監察官は「県民を守るべき立場の警察官が、このような行為を行ったのは誠に遺憾。再発防止のための指導教養を徹底し、信頼回復に努めたい」とコメントした。
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