東南アジア3カ国で日米中の外交戦

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 日米中が東南アジアで「争奪戦」を展開している。中国はアジアの覇権のため、日米は中国の台頭を防ぐため、東南アジア国家を味方に付けようとしている。特にベトナム、フィリピン、ミャンマーが競争の舞台となっている。

 ベトナムと中国は1970年代、領土紛争で2回の戦争を経験した。しかし、今年6月にベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が中国の習近平国家主席と会い、南シナ海問題の平和的解決で合意して以降、両国関係は急速に改善している。これに対し、オバマ米大統領は今年7月、サン主席を米国に招き、「包括的パートナーシップ関係」を構築し、年内に自由貿易協定(FTA)を締結交渉を終えることで合意した。

 一方、フィリピンと中国の関係はますます悪化している。フィリピンは最近、軍備拡充とともに、中国との領有権紛争を抱える南シナ海に面した都市に海軍・空軍基地を移転することを決めた。先月にはフィリピンの海岸で鉱物を含む砂を違法に採取したとして、中国人31人を一斉に逮捕した。中国も改良型弾道ミサイル護衛艦を南シナ海に追加配備するなど、圧力を強めている。米国と日本はフィリピンに素早く支援の手を差し伸べた。先月フィリピンを訪問した安倍晋三首相は、海洋巡視船10隻を支援すると表明した。米国は軍事支援を拡大する計画だ。

 ミャンマーはもともと中国と特別な関係にあった。しかし、ミャンマー政府が改革開放を進めて以降、日米と急速に接近し、日米中が争う場となった。オバマ大統領は昨年11月、現職の米大統領としては初めてミャンマーを訪問した。それに続き、今年5月にはテイン・セイン大統領をワシントンに招いた。ミャンマーに対するさまざまな制裁も大半が解除された。日本もカネでミャンマーを攻略した。安倍首相は今年5月、ミャンマーに対する910億円の経済支援を約束した。中国は先月、ミャンマーとの総延長793キロメートルのガスパイプラインの建設工事を終え、パイプライン沿いに学校45カ所、病院24カ所を建てた。

 北京の外交筋は「日米は中国を包囲するため、中国は太平洋に進出するため、東南アジア各地で競争している」と指摘した。

北京= アン・ヨンヒョン特派員
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