TPP並行協議:米、保険で強硬崩さず

毎日新聞 2013年08月10日 08時30分(最終更新 08月10日 08時44分)

日米交渉後に記者会見するUSTRのカトラー次席代表代行=米国大使館で2013年8月9日午後4時5分、大久保陽一撮影
日米交渉後に記者会見するUSTRのカトラー次席代表代行=米国大使館で2013年8月9日午後4時5分、大久保陽一撮影

 日本側代表の森健良経済外交担当大使は初会合について「接点を探るところまではいっていない」と語り、日米の主張の隔たりが大きいことを認めた。

 ◇「5品目」例外化にも影響

 日米並行協議の行方は今後のTPP交渉にも大きな影響を与える。日米が「知的財産」や「公共事業への外資参入」などの分野で妥協点を見いだせば、これらの分野でTPPのルール作りを主導できる可能性がある。また、日本が目指すTPPの農業分野での「重要5品目」(コメ、麦、牛肉・豚肉、砂糖、乳製品)の関税撤廃例外化にも米政府の理解と支援が欠かせない。

 日米並行交渉はオバマ米政権が今年4月、日本のTPP交渉参加を認める条件として設置を要請。日米協議で決めた自動車貿易での合意内容はTPP協定に盛り込まれ、両国の間でのみ発効する。

 「知財保護」や「政府調達(公共事業への外資参入など)」「サービス自由化」をはじめとした分野では、世界のGDP(国内総生産)の首位と3位の日米が高いレベルの合意に達すれば、TPP交渉の流れを作れる可能性が高い。カトラー氏は9日の記者会見で「日米で協力できる分野はたくさんある」と強調。日米がタッグを組み、TPP交渉でマレーシアやベトナムなど新興国に政府調達などの分野で規制緩和を促し、日米企業のビジネス拡大につなげたい考えを示した。

 一方、日米協調を優先するあまり、保険や自動車貿易で米側の主張に大幅に譲歩すれば、日本のTPP交渉参加の利点が薄れる懸念もある。

 焦点の農産物の関税撤廃や減免はTPP交渉で議論する。ただ、関税撤廃品目の決定に向けては、日米を含むTPP交渉参加国が事前に2国間の協議で下交渉を重ね、その結果を全体の協定案に反映させる形となりそうだ。

 日本は今後、関税分野で他の11カ国と2国間交渉を行うが、ニュージーランドやオーストラリアは日本のコメや牛肉、乳製品市場の開放を強く迫る見込みで、大きな試練となりそうだ。

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