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フラッシュカードの製造方式 (MLC/TLC) の技術革新や、製造プロセスの微細化によって製品寿命が短くなっている理由を詳しく解説しているページです。
フラシュメモリって何?
1ビットの情報を蓄積するのに必要な回路構成をメモリセル、または単にセルと呼ぶ。NAND型の場合、1つのセルはシリコン基板上のP型半導体層を挟みこむようにソースとドレインとなる2つのN型半導体部分を作り、そのP型の上にトンネル酸化膜と呼ばれる薄い層を経てポリシリコン製の浮遊ゲート (Floating Gate) を作り、さらにその上に制御ゲート (Control Gate) を置く。
浮遊ゲート内の電子は、浮遊ゲートを覆う絶縁体により保持されるため、電源を供給することなくデータを数年間程度保持することができる。
NAND型フラッシュメモリでは上書き動作が行えないため、(書き込み可能な空きページがなければ)書き換えない部分を読み出して別に保持し、そのブロック全体を消去してからブロックを書き込む動作が行われる。
NAND型では、セルを駆動するのに必要な導線を複数のセルで共有している。このためデータの書き込み、読み込みはページと呼ばれる複数ビット単位で、消去はブロックとよばれる前述のページを複数でひとまとめにした単位で一括して行われる。このためNAND型フラッシュメモリの動作は以下の3つが基本となる。
●ページ読み出し
●ページ書き込み
●ブロック消去
浮遊ゲートへ電子の注入と引き抜きを何度も繰り返すと、Tunnel Oxideと呼ばれる絶縁層である酸化膜を電子が通過するために、この層が劣化してゆく。やがて正常に情報の記録が行えないセルが生じ、このセルを含むブロックは不良ブロックとなる。この時の誤りは後述の誤り訂正の仕組みでかなりの程度までは訂正される。この一度生じた不良ブロックは回復することなく、この不良ブロックを使用しないように管理をする必要がある。
一般的なデータ書き込みおよび消去後、不良ブロックの検知処理を行い、不良ブロックを管理するロジックが組み込まれている。不良ブロックと検知されたブロックは冗長バイト内に不良ブロックを示すフラグ情報が書き込まれる。
書き換え頻度の上限回数は製造メーカの機密であり外部の者には知らされないが、SLCで10万回程度、MLCで1万回程度の消去・書き込みが上限ではないかと云われている
NAND型ではデータの書き換えおよび消去を繰り返すとセルが劣化し、データを書き込むことができなくなる。このため特定のブロックのみにデータの書き込み消去が集中するとそのブロックだけ早く寿命を迎えてしまう結果をもたらす。
この現象を回避するのがウェアレベリングである。ウェアレベリングにはいくつかの手法があるが、NAND型フラッシュメモリを使った記憶媒体では、メモリチップ外部からのアドレス信号をチップ内部的に異なるアドレスに変換して、各ブロックの書き込み消去回数が平準化するようにする手法が広く用いられている。またこのアドレス変換情報もNAND型フラッシュメモリ内に書き込まれて保存される。なお、この変換アルゴリズムは複数存在し、記憶媒体のメーカの特許等になっている。
(From Wikipedia)
フラシュメモリの種類
1つのセルの浮遊ゲートにある電子の蓄積量、つまり電荷の量が"Hi"か"Low"かで1ビットの情報を記録する方式を「SLC」(Single Level Cell)と呼ぶ。また、電荷の量の違いを4つ以上の多値で判断することで2ビット以上を記録する方式を「MLC」(Multi Level Cell)と呼ぶ。MLCは2ビットのものが比較的多いが、3ビットのものを特に「MLC-3」や「TLC」と表記することがある。
1つのメモリセルにたくさんの情報を記録する技術革新
SLC: 標準 , 高速で読み書きが可能。
MLC: 1.5 倍の情報をSLCと比較して記録可能。半分の電気を貯めて、その電位差を利用する。演算などが必要となるため、動作速度はSLCより落ちる。電位差を利用するため製品としての寿命はSLCの半分程度となる。
TLC: 1つのセルを3当分して記録を行うため、SLCと比較して2倍の情報を記録可能となる。電位差の測定がシビアとなるため、処理速度が低下する。また製品としての寿命は、MLCよりもさらに大幅に減少している。(2年?)
NAND製造プロセスの微細化
同じシリコンウェハー(円盤状のシリコン棒より作り出した半導体チップの元となるもの)から、沢山の半導体チップを作り出すことができると、製品あたりのコストダウンが可能となることから、製造プロセスの微細化が急速に進行している。製造プロセスを微細化することにより、メモリセルとメモリセルの間の壁が近くなってくるが、電力リーク(漏れ)を抑えることが不良品を発生させない鍵となる。そのノウハウは製造メーカ毎の特許と技術によって作り上げられている。しかし、製造プロセスの微細化は、極限にまで小さくなり2011年には20nmに到達するといわれている。その進化はムーアの法則で表され、集積回路上のトランジスタ数は「18ヶ月ごとに倍になる」とい言われている。言葉でいうより微細化による製造は簡単でなく、シリコンウェハー自身の精度も高く要求され、製造工場においても宇宙空間よりもチリのない状況が必要とされている。
微ムーアの法則を今後も時間軸に沿って維持するには、裏に潜む様々な技術的挑戦なしにはなしえない。集積回路における主要な挑戦のうちの一つは、ナノスケールのトランジスタを用いることで増加する特性のばらつきとリーク電流である。ばらつきとリーク電流の結果、予測可能な設計マージンはより厳しく、加えてスイッチングしていないにもかかわらず、かなりの電力を消費してしまう。リーク電力を削減するように適応的かつ統計的に設計すると、CMOSのサイズを縮小するのには非常に困難である。これらの話題は「Leakage in Nanometer CMOS Technologies」によく取り上げられている。サイズを縮小する際に生じる技術的挑戦には以下のものがある。
●トランジスタ内の寄生抵抗および容量の制御
●電気配線の抵抗および容量の削減
●ON/OFFの挙動を制御するためにゲートを終端できる適切なトランジスタ電気的特性の維持
●線端の粗さによる影響の増加
●ドーピングによる変動
●システムレベルでの電力配送
●電力配送における損失を効果的に制御する熱設計
●システム全体における製造コストを常に引き下げるようなあらゆる技術的挑戦
(From Wikipedia)
【日経産業新聞2011年7月13日20面より抜粋】
「NAND型フラッシュ、DRAMが代表するメモリーは1年に1世代ずつ、技術革新が進む。処理高速化、大容量化の原動力となる。だが、これまでのペースだとあと2~3年で物理的限界にぶつかる。NAND型フラッシュは、線幅が15ナノメートルより細くなると記憶部分がもろくなる。誤動作を起こしやすくなり、データ保存が困難になる。DRAMは20ナノメートルが限界点とされ、いずれも到達時期は2013年ごろとみられる。」
書き込み耐久性
前述のようなことから、フラッシュカードの製造方式 (MLC/TLC) の技術革新や、製造プロセスの微細化によって製品寿命が短くなっている現状にある。
SLC NAND 書込可能サイクル 10万回 (Samsung OneNAND KFW4G16Q2M) 。サーバ用高速SSD、高性能ワークステーション用。
MLC NAND 書込可能サイクル 5千~1万回 (Samsung K9G8G08U0M) 。高性能パソコン用SSD、200倍速の高速フラッシュカード、高速型USBメモリ。
TLC NAND 書込可能サイクル 1千~5千回 。Class 10までの低速度フラッシュカード全種類。低価格USBメモリ。(SD/CF/USB Flash)2010年夏以降の低価格製品は、ほぼTLCへ移行。
※耐久性は、平均的なフラッシュカードの数値であり、製造会社によって異なります。製造技術が高く、充分なクリーンルームと検査体制をもつ企業の製造商品は寿命が長く、低価格で量産に力をいれている企業の製品は、上記よりも寿命が低いという報告がなされています。
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ブルースター株式会社
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