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大阪市 待機児童が半減
NHK ONLINE 2013年05月23日 20時15分
http://kiziosaka.seesaa.net/article/363290894.html
大阪市内で保育所の空きを待っているいわゆる「待機児童」の数は、先月1日の時点で287人で、保育所の新設などを進めた結果、去年の同じ時期の半数以下に減りました。
橋下市長は、来年4月には、市内の待機児童をゼロにしたいと意欲を示しました。
大阪市によりますと、市内で、保育所の空きを待っているいわゆる「待機児童」の数は先月1日の時点で287人で、去年の同じ時期に比べて、377人減ったということです。
大阪市では、これまで、保育所の新設や家庭など小規模な環境で子どもを預かってもらう、「保育ママ事業」を推進したことが待機児童の減少につながったとしています。
市内24区でみてみますと、平野区や生野区など11の区では、待機児童がゼロなのに対し、マンションの建設が相次いだ、福島区と西区では50人を超えていて地域によって差が出ているということです。
このため、大阪市では、待機児童が多い区を中心に、昨年度解禁した、株式会社による保育所の設置などを進めることで新たに、およそ2300人を受け入れる枠を用意して、対応することにしています。
これについて、橋下市長は、記者会見で、「来年4月には待機児童がゼロになる可能性も出てきたので、担当には、『もう1回、気合を入れ直してくれ』と指示した。対策としては、機動的に対応できる『保育ママ事業』が決め手になる」と述べました。
また、橋下市長は、保育士が不足していることについて、「国には公立、私立を問わず保育士の給料があがるような制度を作ってもらいたい」と述べました。
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大阪市の待機児童が、前年より377人減って、287人になった。前年比で半減以下を達成した。橋下市長は、来年には待機児童をゼロにしたいと述べた。・・・ということで、この情報だけでいうと、素晴らしい話です。
でも、次のような報道も、続いて行われました。
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待機児童:11区でゼロ 大幅減の集計方法に変更、774人除外 大阪市「横浜に合わせた」 /大阪
毎日新聞 2013年05月24日 地方版
http://kiziosaka.seesaa.net/article/363401658.html
大阪市は23日、保育所に入れない待機児童(4月1日時点)は287人で、前年同時期より377人、減少したと発表した。橋下徹市長は「来年にはゼロになる可能性もある」と意気込むが、市は今回から待機児童数が大幅に少なくなる集計方法に変更しており、実態として減少しているかは不明という。
市は12年度、認可保育所の増設や、個人宅などで乳幼児を預かる「保育ママ」事業の開始で、入所枠を1080人分増やした。その結果、前年の664人から大幅に減少し、24区中11区で待機児童がゼロになったという。
ただ、実態は大きく異なる。市は昨年度まで待機児童に計上していた、母親が育児休暇中や自宅で求職している場合を、今回は除外。この二つで除外されたのは計774人に上っている。
待機児童の集計方法は厚生労働省が一定の基準を示しているが、自治体によって異なるのが現状。市こども青少年局は「待機児童がゼロになった横浜市に方法を合わせた」としている。
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こちらの記事によると、待機児童が337人減少したのは、これまで待機児童に計上していた「母親が育児休暇中や自宅で求職している場合」の774人を今回から除外したからだとしています。
どういうことなのでしょうか?
大阪市が発表している元の情報がこれです。(元データ、掲載元サイト)
昨年は、入所保留児童数2974人から3つの項目の対象者を除外して、664人を待機児童数だとしていました。
それに対して今年は、入所保留児童数3070人から昨年までの3つの項目に加えて「育休中」と「主に自宅で求職中」の774人を除外して、287人を待機児童数だというのです。
今年から新たに除外した774人を除外せず、全て待機児童数に加えると1061人になります。
ただ、今年から新たに除外した774人は、資料の説明では全て待機児童だった訳ではなく、一部は「特定保育所希望等」に含まれていた人数を「育休中」「主に自宅で求職中」へ移したとしています。
そのため、774人が昨年「待機児童数」と「特定保育所希望等」のそれぞれ何人該当していたのか分からず、昨年と同じ分類をした場合の待機児童数が、発表されている数字では分からないのです。
昨年までの待機児童数のカウント方法と、今年の待機児童数のカウント方法のどちらが正しいと決められる話ではありません。
でも、今年の待機児童数と昨年の待機児童数の比較をするなら、同じカウント方法で行った数字でなければ、比較の意味がありません。
少なくとも、「待機児童数が、前年同時期より377人、減少した」とする発表は誤りで、「カウント方法を変えたため、前年との増減は不明」というのが、正しい説明と思います。
ただ、昨年と比較して増減が分からないというだけでは不親切なので、推計をしてみましょう。
推計の考え方は次の通りです。
〇昨年の分類と同じ方法でカウントするとして、今年の待機児童を推計します。
〇今年の「特定保育所希望等」が、昨年と同数の1844人と仮定します。すると「育休中」「主に自宅で求職中」774人のうち、393人(1844人−1451人)が「特定保育所希望等」だったことになります。
〇すると、「育休中」「主に自宅で求職中」774人のうち、待機児童数は381人(774人−393人)です。
〇昨年の分類と同じ方法でカウントとすると、今年の待機児童数287人に、「育休中」「主に自宅で求職中」に振り分けられた待機児童数381を加えた668人が、今年の待機児童数となります。
〇昨年の待機児童数664人に対して、同じカウント方法での今年の待機児童数の推計値が668人ですから、待機児童数はほぼ横ばいなのでは?と思ってしまいます。
あと、待機児童数のカウントから「育休中」「主に自宅で求職中」を外したというのは、意味合い的には「これらは解消すべき待機児童数とは考えない」と表明したことになるのですが、それでいいのでしょうか?