「女性に見える人専用」というデタラメ
「女性専用車両」が、「女性専用ラウンジ」、「女性専用フロア」、「女性専用マンション」などと違うのは、「女性専用車両」は、他の「女性専用○○」と違って、本当は「女性専用」ではないことです。つまり、「女性専用車両」の「女性専用」というのはウソで、他の「女性専用○○」は本当なのです。もちろん、他の「女性専用○○」についても、「女性専用」の妥当性に疑問がありますが、他の「女性専用○○」の場合は、原則、「女性専用」として運営されているわけです。
一方、「女性専用車両」の場合は、原則、「女性専用」として運営されているわけではありません。ウィキペディアでは、「女性専用車両」は、「公共交通機関において、原則として女性だけが利用できるようになっている車両」と紹介されているようですが、「女性専用車(両)」というのは、法律上も、契約上も、あくまで一般車両ですから、原則は、「誰でも利用できる車両」です。
ですから、「女性専用車両」は、一部の「賛成派」が言っている「男性差別ではない」という指摘も、「女性専用」ではないのですから、本来の意味では、間違いではありません。しかし、これは「本来の意味では」ということで、ウソの名称や表示、駅員らの不適切な対応などにより、この「本来の意味」はどこかに消え去り、まさに「女性専用」となっている、結果的に、「男性排除」が行われている、「男性差別」が引き起こされている、というのが現実です。この意味では、一部の「賛成派」が言っている「男性差別ではない」という指摘は「間違い」ということになります。
また、(本来の意味ではなく)運営上の「女性専用車両」を含め、「女性専用○○」には、致命的な欠陥があることを忘れてはいけません。それは、「女性専用」と謳いながら、結局、「女性に見える人専用」となっている点です。まさか、戸籍抄本やパスポートでいちいち「女性」であることを確認はしていないでしょう。係員の見た目で判断しているはずです。であれば、「女性専用」ではなく、「女性に見える人専用」となっているわけです。
で、この「女性に見える人専用」の場合、「女性に見える女性」以外に「女性に見える男性」も利用でき、一方、「男性に見える女性」及び「男性に見える心が女性の人」が利用できない、ということになりかねません(注:「男性に見える女性」は怒って、権利を主張するから、利用できない、ということはまずないだろうが)。これは、「女性専用」が男性差別でなくても生じる不公平、差別です。同じ「性同一性障害」の人でも、女性に見えればOK、男性に見えればNG? あるいは、男装した女性や女装した男性はどう扱うのか? 制度として、問題だらけ、欠陥だらけです。
と言うか、そもそも、係員には、運営にあたって、「性別識別権限」なるものがあるのでしょうか? 銭湯や公衆トイレ(注:これらは「差別」ではなく、「区別」であり、その秩序の維持のためには、ある程度の強制力は必要だろう)でもないのに「女性専用○○」と謳うだけで、強制力を行使する権限が生じるのか? 法律上のキチンとした裏づけがあるのか? ここは、「法律の専門家」の方に是非、お聞きしたいところです。 |
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