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旧陸軍の軍法会議の記録発見8月3日 0時38分
焼かれるなどしてほとんど残されていないという戦時中の軍法会議の記録が見つかり、専門家は、戦況が悪化するなか、追い詰められていく隊員たちの心情を知ることができる貴重な記録だとしています。
見つかったのは、太平洋戦争末期の昭和19年、当時、広島市にあった陸軍部隊の軍法会議で出された142件の判決文です。
軍法会議は、軍人や軍属の犯罪を裁くため軍の中に設置されていた裁判制度です。
見つかった判決のうち特に目立つのは、「窃盗」や、軍隊では重罪だった「逃亡」の罪です。
罪を犯した理由をみると、「年老いた母を思うあまり逃走した」とか、「下士官からたびたび殴られ、軍隊が嫌になった」といった記述が見られます。
判決が出された部隊は、船を使って人員や物資の輸送などを行っていた陸軍の通称「暁部隊」で、判決の中には、「敵の潜水艦から襲撃を受け、船が沈没し、危険な海上生活が怖くなった」といった記述もあり、戦況が悪化するなか、追い詰められていった隊員たちの心情を知ることができます。
軍法会議に詳しい獨協大学の松本一郎名誉教授は「軍法会議の記録は焼かれるなどしたため、原本が残っているのは珍しい。母や婚約者に会いたくて逃げ出したといった気の毒な例もあり、人間模様の一端がうかがえる」と話しています。
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