製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤バルサルタン（商品名ディオバン）を巡る臨床試験疑惑について、田村憲久厚生労働相は２日の閣議後の記者会見で、データの統計解析を担当した元ノ社社員に聞き取りを行う意向を示した。また、実態解明に向け、医師や弁護士ら１２人で構成される検討会を今月９日に開催することを発表した。

　東京慈恵会医大の調査委員会は「元社員のデータ操作が強く疑われる」と指摘した。元社員は関与を否定しているが、同様にデータ操作が明らかになった京都府立医大の試験でも同じ人物が統計解析を担当していた。

　田村厚労相は「二つの大学でデータの改ざんが疑われ、共通に関わっている方がいることは非常に大きな問題だ」と言及。「検討会で元社員に出席していただければありがたい。もし関わっていないというのであれば、そこを弁明していただきたい。我々も真相解明に向け努力する」と述べた。【八田浩輔】