小松一郎氏

 政府は8日午前の閣議で、山本庸幸内閣法制局長官を退任させ、後任に小松一郎駐フランス大使を充てる人事を決定した。政府の憲法解釈を担う内閣法制局長官は内閣法制次長から昇任するのが慣例で、外務省からの起用は異例。安倍晋三首相は集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈見直しに前向きな小松氏を起用することで、解釈変更に向けた作業を加速させたい意向だ。

 解釈変更を議論するための有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元外務事務次官)が9月に議論を再開するのに合わせ、行使容認に向けた地ならしを進める狙いとみられる。