女心が分からないと感じている男性に、おすすめしたい一冊です。
どうして女性はそこまで美に執着するのか。
どういう状況で執着心がエスカレートしてくのか。
その答えの一つ二つ、三つくらいが存分に描かれています。
というのも、本書は美容整形で美女に変身していく過程描写が非常にリアルなんです。
しかも、そういう紹介をされると大抵こういう流れになるのかな…
という推測を軽快に裏切っていくのが何とも気持ちいい。
みるみる変わる周囲の反応に、女性ならではの爽快さを感じられます。
また、主人公は高額な整形を繰り返すために風俗で働くのですが、
悲壮感がほとんど感じらません。
目的が明確で、投資以上の利益を回収できれば
ハードワークでも踏ん張れるんですかね。
彼女はそこまで美しくなって、何をしたかったのか。
何を手に入れたかったのか。
一途なまでにささやかな願いは叶うのか。
男性は女性の美しさに惑わされ、
女性は愛する男性だけは特別だと信じ込む。
悲劇でもあり、喜劇でもある。
まるでノンフィクションを読んでいるような緻密な描写と、
疾走感のある展開が大変よろしかったです。
文体が淡々としていて、過激なテーマを売りにすることのない表現や構成も好印象でした。
あっ、本作は映画化されているようですが、
これは本読みながら妄想全開にするほうが楽しいかも(o´∀`o)
モンスター (幻冬舎文庫) [文庫]
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