『しあわせ』の尺度は違うよね,
2013/7/28
レビュー対象商品: すーちゃん まいちゃん さわ子さん [Blu-ray] (Blu-ray)
原作未読ですが、益田ミリの人気四コマ漫画シリーズの映画化です。素朴な絵
柄の通り、ストーリーもごくあっさりとしているのだが、口に出す言葉の横に書
かれた心の声が、静かにも本質を突いていて面白い。
しかし根本的な問題として、すーちゃんのキャスティングがダメだと思う。34
歳独身、カフェ店員、容貌も地味、恋愛にも内気、真面目な性格、ここ5年ほど
男と付き合い無し....、で、柴咲コウはダメでしょ。キレイすぎるし、モテなさ
そうな雰囲気もイマイチない。カフェ店員に柴咲コウがいたら、私なんか毎日通
いますよ。あとの二人は、設定どおりの感じでまずまずかな。
4コマ漫画ならではの肩の力が抜けた雰囲気は、生かされていると感じます。
30代独身の3人の女性たちは、恋愛や結婚、仕事、介護と、それぞれに悩みを抱
え、将来に漠然とした不安を抱きながらも、日常を丁寧に生きている。独身女性
の本音を淡々とスケッチするストーリーだけれど、3人の友情が、ほどよい距離
感を保っているのがいい。彼女たちはお互いの悩みや決断に、積極的に立ち入る
ことはしないが、泣きたいときはそっと寄り添ってあげるのだ。それは本音をや
んわりと隠す表層的なつきあいでもあるのだけれど、都会に生きる人間には、少
し距離を置いたこんな友情が心地いい。
すーちゃんを中心に、それぞれに起こる小さなドラマの後、新しい未来が待っ
ています。彼女たちの選んだ道に、共感だけでなく反感もあるだろうし、小さな
迷いや心の傷も、だから何?!との冷めた見方もあるはず。
3人の女性は、それぞれ、『しあわせ』というものを見つけて、生きている。
『しあわせ』というものは、それぞれに違うものだし、人が押し付けるものでも
無い。尺度が違うのは当たり前で、それを求めるのも当たり前。要はは、気持ち
の持方しだいということか(笑)。まぁ、癒される女性も多いかも。
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