【武田修宏の直言】
ザックジャパンが臨んだ7月の東アジアカップ(韓国)では、10人の初代表選手が躍動して、見事な初優勝。なかでも大活躍した日本代表FW柿谷曜一朗(23=C大阪)やFW斎藤学(23=横浜M)、MF高萩洋次郎(27=広島)は、J2で修行を積んできた苦労人でもある。
J1クラブに新入団した10代の有望な選手は、実力や実績に勝る先輩選手が集うチームでは、出場機会に恵まれない。そこでクラブ側は若手を、比較的選手層の薄いJ2クラブにレンタル移籍させることで実戦経験を積ませている。柿谷はJ2徳島、斎藤、高萩はJ2愛媛でプレーした。
ただ選手の立場とすれば注目度の高いJ1で勝負したい気持ちはあるだろう。またレンタル移籍でJ2に行ったとしても練習場や設備が整っていないクラブが多く、必ず試合に出られる保証もない。試合に出たとしても、結果が出なければどうなるのか…。実質的な片道切符でもある。
それでも柿谷、斎藤、高萩らはJ2で苦闘しながらJ1の舞台へ戻り、日本代表にまで上り詰めた。東アジア杯はブラジルW杯に向け最後のチャンスだったかもしれないが、しっかりと結果を出せたのはJ2での修行の成果と言える。(元日本代表FW)
☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京Ⅴ)入り。ルーキーながら11得点を上げ、リーグⅤに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Ⅴに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年アメリカW杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。
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