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「ニコ動」と麻生のできすぎる息子

「ニコニコ動画」が自民党寄りなのはなぜか。副総理の御曹司が経営参加していたから。

2013年8月号 POLITICS

折しもこの当時、海外におけるネット選挙が注目され、自民党も「ネット選挙解禁」を打ち出していた。慶大経済学部を卒業後、英ケンブリッジに留学し、「選挙制度」に関する論文を書いたという巌氏が、ネット企業「ドワンゴ」のポテンシャルに惹かれたのは当然としても、誰が、その「橋渡し」をしたのか。気になるところだ。

地元に帰って出馬の準備

巌氏本人がウェブのインタビューで答えるところによると、ある「飲み会」に参加した時、「マジック・ザ・ギャザリング」というカードゲームの話で盛り上がった。その中心にいたのが「ドワンゴ」会長で、現在スタジオジブリに籍を置く川上量生(のぶお)氏であり、そこから意気投合して経営に参画することになったという。ひょんなことから始まった関係のようだが、実は両者の「飲み会」をセットしたのは、他ならぬ従兄弟の将豊だと囁かれているのだ。

「麻生グループで飯塚病院などの医療ビジネスを手がける巌氏は、川上氏と全く接点がない。一方、将豊さんはニワンゴプロジェクトで、川上さんと親しくなっていましたから」(前出・ネット企業社長)

「有限会社シーリンク」は06年10月30日に「株式会社エクストーン」となり、将豊氏は取締役に就く。麻生副総理の資産公開によると、将豊氏は同社株式を9553株、母のちか子氏も5120株を保有している。「エクストーン」は20人ほどの規模ながら、そのアイディアと技術が高く評価され、大手クライアントから仕事を受注、「ドワンゴ」の通販サイトである「ニコニコ直販」「ニコニコ市場」などを手がけている。ちなみに同社の役員は「ニワンゴ」の役員を兼務し、先の川上氏も「エクストーン」の顧問である。

麻生副総理のネット人気の源泉である「ニコニコ動画」の礎を築いたのが、将豊氏の働きだとしたら、麻生氏は「たいへんな孝行息子」を持ったといえよう。いや、正確には「優秀な跡継ぎ」を得たと言うべきか。実は昨年、エクストーンのホームページから将豊氏の名が消えた。九州に帰還したからだ。

目下、将豊氏は麻生一族の地元である福岡県飯塚市で、「トヨタ自動車九州」に勤めている。昨年12月に発行された「社団法人飯塚青年会議所」の機関紙に登場した将豊氏は、「魅力・開発委員会」の委員長として、「まちの魅力を発信し、より多くの人がまちを訪れる事業をおこなう」と決意を述べている。「飯塚青年会議所は、国政に出る前の父親が籍を置いた拠点。ネットベンチャーを創業した実績を持つ将豊氏がいよいよ後継者として動き出した」(地元の新聞記者)

華麗なる血脈と莫大な資産、揺るぎない地盤を受け継ぎ、「ネット」という新兵器を自在に操る麻生氏の御曹司が、小泉進次郎氏のライバルとして、彗星のごとく登場しそうだ。

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