◇スルガ銀行チャンピオンシップ 鹿島3−2サンパウロ
サッカーのJリーグ・ヤマザキナビスコ・カップと南米カップの王者が戦うスルガ銀行チャンピオンシップは7日、カシマスタジアムで行われ、鹿島がブラジルの強豪サンパウロに3−2で競り勝ち、大会2連覇を飾った。7月の東アジア・カップで日本代表に選ばれたFW大迫勇也(23)がハットトリックの大活躍。2010年にFC東京、11年には磐田が優勝しており、4年連続で日本勢が大会を制した。
ブラジルの名門相手に、プロ初のハットトリックを達成。だが、その試合後、大迫に笑顔はなかった。「これでハットトリックは恥ずかしい。もっと決められた」。ヒーローは声を落とした。
1トップで先発した大迫は前半25分、柴崎の浮き球パスに、左からゴール前に走り込む。相手GK、DFに挟まれながらも落ち着いて右足のつま先でボールを浮かせ、2人のマークをかわすと、左足でゴールに流し込んだ。同39分には左からジュニーニョのクロスに猛然と走り込み、最後は右足で押し込む。前半で2得点も、後半にまさかの出来事が待っていた。
「決めていれば楽にできたのに申し訳ない」。後半16分に自ら倒されて得たPKのことだ。1度目のキックは阻まれたが、相手GKが早く動いたこともあって蹴り直しに。2度目はバーの上を通過してしまった。だが運は大迫を見放さなかった。2−2の後半47分、柴崎のミドルが腹部に当たり、公式記録は大迫のゴールでプロ初のハットトリックとなった。
ウルグアイ戦(14日・宮城)の日本代表メンバー発表前日に、これ以上ないアピールとなったはずだが納得がいかない。「代表? 気にしてない。鹿島が優勝争いできるよう、次の仙台戦から全力を尽くすだけ」。大迫は最後まで表情を崩さなかった。 (相原俊之)
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