Updated: Tokyo  2013/08/08 07:59  |  New York  2013/08/07 18:59  |  London  2013/08/07 23:59
 

8月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円が上昇、日銀が追加緩和見送るとの観測で-ポンド高い

7日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇、7週間ぶり高値を付けた。日本銀行は追加緩和を控えるとの見方を背景に円が買い進まれた。

英ポンドは主要通貨の過半数に対して上昇。イングランド銀行(英中央銀行)の経済とインフレ率に関する見通しに基づけば、同中銀は政策金利を過去最低水準に維持できないとの観測が広がった。ユーロは対ドルで続伸。ドイツの6月の鉱工業生産は予想以上の伸びとなった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)傘下のRBSセキュリティーズ部門為替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は、「円の上昇は日銀の決定を控えたポジション調整に関連しているようだ」と述べ、主要10カ国で日銀以外の金融当局は「文言を変える、あるいは金融政策を通じて緩和措置を取ってきた。日銀は今週、追加緩和を実施することはないだろう。それが円の上昇を支えている可能性がある」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで1.4%上昇して1ドル=96円33銭。円は対ユーロで1.2%高の1ユーロ=128円47銭。ユーロは対ドルで0.2%上昇して1ユーロ=1.3336ドル。

英中銀の見解

英中銀は失業率が7%を超える水準にとどまる限り、金融政策を引き締める公算はまずないと説明した上で7%の失業率については、あくまで基準であって「引き金」にはならないと説明した。ポンドは対ドルで0.9%上昇した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト25人を対象にした調査によると、全員が日銀は今回の金融政策会合では緩和拡大は見送るとみている。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は過去3カ月間で5%上昇。ユーロは3.6%高、ドルは2%の上昇だった。

みずほフィナンシャルグループの法人外国為替セールスバイスプレジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「日銀が方向性を変更するような声明を発表するか見極める」と述べ、「米緩和策縮小に関する見通しを軸にしてドルは若干の圧力を受けている。これは円の上昇にも関連する」と指摘した。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、外為オプションの店頭取引は合計280億ドル。前日は310億ドルだった。この日の総額のうち対円でのドルのオプション出来高は116億ドル、シェアは41%と最大だった。

ドイツの鉱工業生産

独経済技術省が発表した6月の鉱工業生産指数は前月比2.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.3%上昇だった。同統計発表後、ユーロは上昇した。

格付け会社フィッチ・レーティングスはドイツの格付けを「AAA」で維持した。フィッチは発表資料で、独政府が一部の主要財政目標を上回る成果を達成したと指摘した。  

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先週、最近の指標はユーロ圏経済が最悪期を脱したことを示唆しているとの認識を示した。同時に、当局が予見可能な将来において低金利を維持する方針であることを重ねて表明した。

原題:Yen Rises to Seven-Week High Before BOJ Decision; PoundGains(抜粋)

◎米国株:S&P500種3日続落、緩和縮小見通しで-BOAが安い

米株式 相場は3日続落。S&P500種株価指数が3日連続で下げるのは6月12日以来で初めて。景気回復に伴い、米金融当局が債券購入ペースを減速させるとの観測が背景にある。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)が下落。同行はローン債権のリスクをめぐって投資家を欺いたとして、米司法省から6日に提訴された。4-6月(第3四半期)利益が伸び悩んだウォルト・ディズニーも安い。映画部門の利益減少やABCテレビの減収が響いた。タイム・ワーナーは下落。投資判断の引き下げを嫌気して下げに転じた。

S&P500種 株価指数は前日比0.4%安の1690.91で終了。前週末2日に終値ベースで最高値を更新したが、今週に入ってからは1.1%下げている。ダウ工業株30種平均はこの日、48.07ドル(0.3%)安の15470.67ドルで終えた。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)のチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「値固め局面にある。われわれは広く株式市場の先行きを引き続き楽観しているが、量的緩和の先行きがはっきりするまで短期的には恐らくレンジ取引になるだろう」と語った。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は労働市場に「有意な改善」が見られるとし、このまま力強さを増し続ければ金融当局による債券購入プログラムの縮小が正当化される可能性があるとの認識を示した。

グラディエント・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、マイケル・ビンガー氏は「経済指標は恐らく予想よりもやや良好だ。だから市場は金融当局が9月に緩和縮小を始めることを懸念しているようだ」と述べた。

決算

ブルームバーグがまとめたデータによれば、第2四半期の決算を発表した436社のうち72%で利益が予想を上回った。売上高が予想を上回ったのは56%。

S&P500種のセクター別では全10業種のうち7業種が下落。選択的消費株と金融株がそれぞれ0.8%安と下げが目立った。

BOAは0.8%下落。司法省は8億5000万ドル(約830億円)強の住宅ローン担保証券(MBS)の裏付けとなるローン債権のリスクをめぐり投資家を欺いたとして、6日にBOAを提訴した。

ディズニーは1.7%安。利益は前年同期からほぼ変わらず。アクション映画「ローン・レンジャー」のマーケティング費用がかさんだことや、ネットワークのABCテレビの減収が響いた。

ファースト・ソーラー、タイム・ワーナー

ファースト・ソーラーは13%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率首位。前日に発表した決算では利益がアナリスト予想に届かなかった。

ケーブルテレビ局(CATV)のTNTやCNN、HBOを傘下に置くタイム・ワーナーは0.4%下落。4-6月(第2四半期)決算で利益がアナリスト予想を上回ったため、一時3%上昇したが、投資判断引き下げを受けて売りが出た。テレビ局の広告収入は11%増加。TNTで放送した米プロバスケットボール協会(NBA)のプレーオフや、大学バスケットボールのトーナメントが寄与した。

原題:U.S. Stocks Fall Amid Growing Speculation on Fed StimulusCuts(抜粋)

◎米国債:3日ぶり反発、好調な10年債入札を受け買い意欲高まる

米国債相場は3日ぶり反発。この日の10年債入札(発行額240億ドル)で最高落札利回りが同年限として2年ぶり高水準付近となり、需要が高まった。

10年債入札での最高落札利回りは2.620%。入札直前の市場予想は2.635%だった。海外の中央銀行を含む間接入札者 の落札全体に占める比率は46.3%だった。過去10回の入札の平均は37.1%。財務省は8日に30年債入札(発行額160億ドル)を実施する。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券トレーディング部門シニアバイスプレジデントのトーマス・ディガロマ氏は「入札では幅広く投資家の需要が見られた」とし、「総じて順調な入札だった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時2分現在、既発10年債の利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.60%。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は11/32上げて92 23/32。

前回7月10日の10年債入札での最高落札利回りは2.67%と、2011年7月以来の高水準だった。

10年債入札

今回の入札では、プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札全体に占める比率は15.2%だった。過去10回の平均は22.3%。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.45倍と、09年3月以来の低水準。過去10回の平均は2.81倍。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、10年債の年初来リターンはマイナス6%。米国債全体ではマイナス2.9%となっている。12年通年では10年債のリターンはプラス4.2%。米国債全体ではプラス2.2%だった。

財務省は今週、総額720億ドルの入札を実施する。前日は3年債入札(発行額320億ドル)が行われた。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ジョン・ブリッグス氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は「今回の10年債入札は市場にとってはそこそこ良いシグナルだ。9月、そして量的緩和の縮小にゆっくり近づく中で市場は最近の金利レンジで安定しようと努めている」とし、今回の入札成功は「あすの30年債入札に向け好ましい結果だ」と続けた。

利回り見通し

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト63人を対象に今月2-6日に実施した調査によれば、10年債利回りは年末までに2.75%に上昇すると見込まれている。同期間にエコノミスト38人を対象にした調査では、30年債利回りは3.75%への上昇が予想されている。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は労働市場に「有意な改善」が見られるとし、このまま力強さを増し続ければ金融当局による債券購入プログラムの縮小が正当化される可能性があるとの認識を示した。

労働省が2日発表した7月の雇用統計によると、家計調査に基づく失業率は7.4%(前月7.6%)に低下した。

ピアナルト総裁は7日、クリーブランドでの講演で「雇用の伸びは自分が予想していたよりも力強い。また現在の失業率は昨年9月時点での私の予想を0.5%以上も下回っている」とし、「こうした雇用進展を考慮し、労働市場が昨年秋からの力強い道筋を維持した場合は、私は毎月の資産購入の規模縮小に備えるだろう」と述べた。

原題:Treasuries Gain as 10-Year Note Auction Yields AttractDemand(抜粋)

◎NY金:7営業日ぶりに上昇、ドルの軟調で代替投資の買いが優勢

ニューヨーク金先物相場は7営業日ぶりに上昇。ドルの下落を受けて、代替投資としての金買いが優勢になった。

主要10通貨に対するブルームバーグ・ドル指数 は一時0.3%下げ、過去7週間で最長の連続安となっている。金は今年に入って23%下落、ドルは3.5%値上がりしている。米金融当局が債券購入を縮小するとの観測が背景にある。

シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ドルの軟調が金の支えになっている」と指摘。米金融当局から「緩和縮小の日程に関してある程度明確性が得られるまで、市場では神経質な動きが続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.2%高の1オンス=1285.30ドルで終了。一時は1271.80ドルと、中心限月としては7月17日以来の安値をつけた。前日までは5月半ば以降で最長の6日続落となっていた。

原題:Gold Rises, Snaps Longest Slump in 11 Weeks, as DollarDeclines(抜粋)

◎NY原油:4営業日続落、米当局による資産購入縮小の観測で

ニューヨーク原油相場は続落。4営業日としての下げは過去9カ月で最大となった。これまで景気とエネルギー需要を支えてきた米金融当局による資産購入が縮小されるとの見方が背景にある。

シカゴ連銀のエバンス総裁は前日、9月縮小の可能性を「明確には排除しない」と述べた。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した統計では、原油在庫は過去6週間で5週目の減少となった。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で天然資源関連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、アダム・ワイズ氏は「緩和縮小が近いとの懸念はあらゆる市場に浸透した」と指摘。「原油在庫の大幅取り崩しが続いているが、全般的に見れば在庫水準はなおも十分高い」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日比93セント(0.88%)安の1バレル=104.37ドルで終了。終値としては7月30日以来の安値。

原題:WTI Crude Declines a Fourth Day on Signs Fed to CurbStimulus(抜粋)

◎欧州株:下落、英中銀のガイダンスで景気回復ペースに不安

7日の欧州株式 相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)がこの日、失業率が7%を下回るまで利上げや資産購入の縮小を控える方針を示したのに対し、緩慢な回復ペースを見込んでいると市場は受け止め、株式は売られた。

フランスの投資銀行ナティクシスは6カ月ぶり大幅安。4-6月(第2四半期)決算が29%減益となったことが売り材料。電気機器販売の仏レクセルは4.2%下落。同社株10%相当を筆頭株主が売却した。鉱山株も下げ、特に決算で収益低下が明らかになったランドゴールド・リソーシズの値下がりが目立った。一方でオランダ最大の金融サービス会社、INGグループは2年ぶり高値に上昇。四半期決算で、銀行部門の税引き前利益が増えた。

ストックス欧州600指数 は前日比0.2%安の302.81で終了。イングランド銀のカーニー総裁は英経済について、成長持続の「脱出速度に達していない」と言明した。同指数は6月24日以降、9.9%上昇。欧米英の中央銀行はそれぞれ、金融政策を通じて景気刺激を続ける方針を示している。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オストワルト氏は電子メールで、「政策金利が上がる可能性がないわけではないが、向こう3年はなさそうだ」と述べた。

カーニー英中銀総裁はこの日、現在の緩和的な金融政策を見直す際に失業率7%の基準を目安とすると説明した。今年3-5月期の英失業率は7.8%で、同中銀は少なくとも2016年7-9月(第3四半期)まで7%を上回る水準にとどまると予想している。

この日の西欧市場では、18カ国中11カ国で要株価指数が下落した。

原題:European Stocks Decline on BOE Comments asNatixis, Rexel Slide(抜粋)

◎欧州債:独債3日ぶり上昇、株安で安全求める動き-仏蘭債も高い

7日の欧州債市場ではドイツ10年債が3日ぶりに上昇。世界的な株安で、域内で最も安全とされる同国債の需要が高まった。

フランスとオランダの国債も買われた。世界経済の回復を支えてきた米金融当局による刺激策が引き揚げられるとの観測が広がったためだ。6月のドイツ鉱工業生産が予想を大きく上回る伸びとなったものの、ドイツ国債の堅調には影響しなかった。同国はこの日、5年債を33億2000万ユーロ発行した。

スカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケンの債券調査部門責任者、ユッシ・ヒルヤイネン氏(ストックホルム在勤)は、「株安がドイツなどの中核国の国債を支えた」とし、「利回りの一段低下は限定されるかもしれない。最近のドイツ経済指標は段階的に正しい方向に向かいつつあることを示したおり、これは数カ月以内に利回りが上昇する動きと一致する」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、ドイツ10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%。2日には1.73%と、7月4日以来の高水準となった。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.08ポイント上げ98.28。

フランス10年債利回りは2bp下げ2.25%、同年限のオランダ国債利回りは2.08%に低下した。

独経済技術省が7日発表した6月の鉱工業生産指数 は前月比2.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト41人の予想中央値は0.3%上昇だった。5月は0.8%低下(改定)だった。

原題:German Bonds Advance as Stock Declines Boost Demand forSafety(抜粋)

◎英国債:下落、10年債利回り6週間ぶり高水準-英中銀報告に反応

7日の英国債相場は下落し、10年債利回りは6週間ぶり高水準に達した。イングランド銀行(英中央銀行)の経済とインフレ率に関する見通しに基づけば、同中銀は政策金利を過去最低水準に維持できないとの観測が広がった。ポンドは対ドルで6週間ぶり高値を付けた

英中銀は同日公表の四半期物価報告で、経済成長率予測を上方修正するとともに、インフレ率は2015年末ごろまで2%の目標に低下しないとの見通しを示した。カーニー総裁率いる金融政策委員会(MPC)は、現行の緩和的姿勢を失業率が7%に下がるまで堅持すると表明。また、このようなフォワードガイダンス(時間軸政策)には3条件が付帯しており、そのうち二つはインフレ率に関係していると説明した。

シティグループのマクロ戦略責任者、ジェレミー・へイル氏(ロンドン在勤)は「金利が低水準にとどまると納得させる働き掛けをカーニー総裁はもう少し行う必要がある」と指摘。「相場の反応は、市場がこの日の発表を完全に織り込んでいたことを示唆した。私がカーニー総裁ならば、この反応には失望だろう」と語った。

英10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.49%。一時は2.56%と、6月25日以来の高水準となった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.05下げ94.06。

ポンドの対ドル相場はロンドン時間午後4時35分現在、前日比1.1%高の1ポンド=1.5510ドル。6月21日以来のポンド高・ドル安水準となる1.5531ドルまで上げる場面もあった。

英中銀は四半期報告の公表に合わせ、フォワードガイダンスに関する所見を明らかにした。同ガイダンスは現行の金融政策が物価安定ないし金融安定を脅かさない限り適用するほか、付帯する条件に左右される。

原題:Pound Rises to 6-Week High Versus Dollar After InflationReport(抜粋)

更新日時: 2013/08/08 07:01 JST

 
 
 
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