原爆の日:「核兵器は絶対悪」 広島市長が平和宣言

毎日新聞 2013年08月06日 10時11分(最終更新 08月06日 10時45分)

早朝から原爆慰霊碑を訪れ、犠牲者を悼む人たち=広島市中区の平和記念公園で2013年8月6日午前6時45分、大西岳彦撮影
早朝から原爆慰霊碑を訪れ、犠牲者を悼む人たち=広島市中区の平和記念公園で2013年8月6日午前6時45分、大西岳彦撮影

 広島は6日、米国による原爆投下から68回目の原爆の日を迎えた。広島市中区の平和記念公園で平和記念式典が開かれ、松井一実・広島市長は平和宣言で、「終生にわたり心身をさいなみ続ける原爆は、非人道兵器の極みであり『絶対悪』だ」と指摘し、政府に核兵器廃絶を目指す国々との連携を求めた。また、安倍晋三首相もあいさつで「核兵器のない世界を実現していく責務がある」と表明し、非核三原則堅持の姿勢を示した。2007年の第1次政権時のあいさつにはあった、「憲法の規定を遵守(じゅんしゅ)」との文言はなかった。

 平和記念公園には早朝から多くの人が訪れ、犠牲者を悼んだ。午前8時からの平和記念式典には、被爆者や遺族ら約5万人が参列した。海外からも過去3番目に多い70カ国の代表が参列した。そのうち核保有5大国の米英仏の代表は4年連続の参列だった。

 松井市長は平和宣言に、公募で選んだ3人の被爆体験に加え、平和宣言起草委員が直接聞き取った2人の体験を盛り込んだ。結婚差別や一生続く健康不安などと闘って生きてきた被爆者の姿を紹介。無差別に大勢の命を一瞬にして奪い、被爆者やその家族らの人生を一変させた核兵器の残酷さを強調した。その上で、「世界の為政者の皆さん、いつまで疑心暗鬼に陥っているのですか」と語りかけ、「信頼と対話に基づく安全保障体制への転換」を呼びかけた。また広島を「日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地で、人類の進むべき道を示す地」と位置づけた。

 昨年に引き続き「脱原発」の是非には踏み込まなかったが、日本政府が進めるインド政府との原子力協定交渉については「核兵器を廃絶する上では障害となりかねない」と強い懸念を表明した。

 記念式典には2度目の出席となる安倍首相は、原爆症認定の見直しに関して「一日でも早く認定が下りるよう最善を尽くす」と表明した。非核三原則については、小泉純一郎元首相(01年)以来、歴代首相が言及してきた「堅持」姿勢を踏襲した。安倍政権が成長戦略に位置づける原子力の安全な利用については言及しなかった。

 式典では松井市長と遺族代表2人が、この1年に亡くなった被爆者ら5859人の名前を記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑下の奉安箱に納めた。名簿は2冊増えて104冊となり、登載者は計28万6818人になった。原爆投下時刻の午前8時15分に参列者が1分間の黙とうをささげた。

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