【コラム】それでも「歴史を忘れた民族に未来はない」

 先週末、家族と一緒にソウル・芸術の殿堂で行われている「スタジオ・ジブリ・レイアウト展」(6月22日-9月22日)を訪れ、人間なら誰もが共感する普遍的な価値について考えた。宮崎駿監督が描いた『となりのトトロ』の原画の前で、行方不明になった妹メイを探す姉サツキや、父親の帰宅をバス停留所で待つ姉妹の話をした後だった。日本のアニメ映画の主人公たちの気持ちは察するに難くない。これは、宮崎監督のアニメが国籍に関係なく理解できるような普遍的な情緒を描こうとしているからでもある。そんな監督が先月、『熱風』というスタジオジブリ発行の無料冊子で「考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい」「慰安婦の問題も(中略)きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです」と述べ、国際社会の共感を得られない安倍首相の歴史観を批判した。

 日本の作家・村上春樹氏は「若き日の傷の克服」という普遍的なテーマを掲げ、世界の人々の共感を得ることに成功した。村上氏が今年発表した小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は現在、韓国でベストセラー1位をひた走っている。この作品で村上氏は登場人物に次のようなせりふを言わせた。「記憶をどこかにうまく隠せたとしても、深いところにしっかり沈めたとしても、それがもたらした歴史を消すことはできない」。先日のサッカー東アジア・カップ韓日戦で韓国サポーターが掲げた「歴史を忘れた民族に未来はない」という横断幕の内容と同様の趣旨だ。下村博文文部科学相は韓国サポーターについて「その民度が問われる」と妄言を発するのではなく、日本人作家と韓国サポーターがなぜ歴史について同じことを言っているのかよく考えるべきだ。安倍首相と麻生副首相もまたしかりだ。

文化部=金泰勲(キム・テフン)次長
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