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米軍ヘリ墜落―大惨事への警鐘とせよ

沖縄県の米軍基地キャンプ・ハンセン内の山中に米空軍の救難ヘリコプターが墜落し、現場から乗員とみられる遺体が見つかった。県民への被害は確認されていないが、近くには民家も高[記事全文]

社会保障改革―構造転換への道筋を

政府の社会保障国民会議が報告書をまとめ、安倍首相に手渡した。高齢者を含め、所得の多い人への負担増が並ぶ。今月中には、改革の工程表を盛り込んだ法案の骨子を閣議決定する予定[記事全文]

米軍ヘリ墜落―大惨事への警鐘とせよ

 沖縄県の米軍基地キャンプ・ハンセン内の山中に米空軍の救難ヘリコプターが墜落し、現場から乗員とみられる遺体が見つかった。

 県民への被害は確認されていないが、近くには民家も高速道路もある。ひとつ間違えば大惨事になるところだった。

 全面積の2割近くを米軍施設が占め、軍用機が飛び交う沖縄本島だ。住民が危険と背中合わせでいることが、改めて浮き彫りになった。

 仲井真弘多(ひろかず)沖縄県知事は上京して、小野寺防衛相らに事故の原因究明と再発防止の徹底を要求した。

 安倍首相はじめ日本政府から同様の要請を受けた米側も、事故を起こしたヘリと同型機の飛行を取りやめ、新型輸送機オスプレイの普天間飛行場への追加配備を遅らせた。

 これを一時しのぎに終わらせてはならない。

 沖縄県民の不安や憤りは、ふくらむ一方だ。

 昨秋のオスプレイ配備には、県内の41市町村すべてが反対した。そうした声は聞き入れられなかったうえに、夜間や人口密集地上空などでの飛行制限に関する日米合意も、有名無実であることがはっきりした。

 昨年末までに318件の合意違反があったという県からの指摘に対し、防衛省は先月、「違反は確認できない」と一蹴した。いったい県民と米軍のどちらを向いているのか。

 一方、首相や防衛相がことあるごとに繰り返す沖縄の「負担軽減」は、遅々として進んでいない。

 県民にしてみれば、オスプレイの追加配備で、騒音被害や危険ばかりが積み重ねられているというのが実感だろう。

 そんなさなかでの墜落事故である。日米両政府は、小手先にとどまらぬ真摯(しんし)な対応をしなければならない。

 まずは今回の事故の原因究明だ。操縦ミスなのか、機体の不具合なのか、あるいは訓練のやり方に無理はなかったのか。それを踏まえた納得のいく再発防止策が必要だ。

 オスプレイについても、「可能な限り」といった留保条件だらけの日米合意を見直す必要がある。いくら県や地元自治体が訴えても、聞く耳を持たぬという態度では、かえって政府への不信を強めるだけだ。

 万一、住民に被害が出るようなことになれば、日米安保体制にとっても致命傷になる。

 そんな悲劇を決して招いてはならない。今回の事故を、その警鐘と受け止めたい。

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社会保障改革―構造転換への道筋を

 政府の社会保障国民会議が報告書をまとめ、安倍首相に手渡した。

 高齢者を含め、所得の多い人への負担増が並ぶ。今月中には、改革の工程表を盛り込んだ法案の骨子を閣議決定する予定だ。実現への道筋を明確にできるか。政権の決意が問われる。

 報告書の内容は多岐にわたるが、底流にある三つの構造転換を前向きに評価したい。

 まず、社会保障の対象を「高齢者中心」から「全世代」へ転換し、「次世代育成支援」を第一に掲げたことだ。そのため、消費増税を中心とした1兆円の財源確保を念押ししている。

 若者に非正規雇用が増え、生活が不安定化していることへの危機感が背景にある。

 この流れから、「年齢ではなく、能力に応じて負担する」という原則を導き、年金の課税強化のほか、働く世代に負担が偏りがちな給与所得だけでなく、高齢世代の資産も勘案した負担を求めている。

 二つめは、医療・介護の分野における「中央集権」から「地方分権」への転換だ。

 全国一律の診療報酬で病院を誘導する手法の限界を認め、小回りの利く補助金をテコに、都道府県が地域のニーズにあった「ご当地医療」をつくる。

 補助金の運用に目を光らせる必要があるが、医療機関に患者獲得の「競争」をさせるのでなく、役割を分担し「協調」させようという点は野心的だ。

 国民健康保険(国保)の運営は市町村から都道府県に移す。低所得者の多い国保を強化するため、中小・零細企業向けの健保に対する補助金を回し、その分は、高所得者の多い大企業健保の負担増でカバーする。

 抵抗は必至だ。ただ、「能力に応じた負担」という意味ではわかりやすい。

 三つめの転換は、社会保障に対する信頼の回復である。若者は負担が給付を上回るといった「世代間の損得論」に対し、報告書は「世代間の連帯の構築の妨げになっている」と真っ正面から批判する。

 高齢世代の生活を社会全体で支えれば、現役世代が自分の親の面倒をみる負担は軽くなる。若い世代も病気やケガで働けなくなれば、障害年金でカバーされる――と、社会保障の積極的な役割を論じている。

 制度の問題点ばかり取りざたされ、不安が広がる流れを反転させたいという思いがにじむ。

 政府への不信、国民相互の不信が強いなかで、支え合いは育たない。私たち一人ひとりの姿勢も問われている。

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