円が反落、株持ち直しで売り強まる-朝方は対ドルで97円後半
8月6日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では午後の取引で円が反落。株価にらみの展開が続く中、日本株の下落を背景に円買いが優勢となっていたが、株価が切り返したことで、リスク回避姿勢の後退が意識され、円を売る動きが強まった。
ドル・円は1ドル=98円30銭付近で東京市場を迎えた後、徐々に値を切り下げ、正午すぎには一時97円84銭と3営業日ぶりの水準まで円高が進行。その後TOPIX 、日経平均株価 が急速に下げ渋るにつれ、円売りが優勢となり、一時98円55銭を付けた。午後3時40分現在は98円50銭前後。
ユーロ・円相場も一時先月31日以来の水準となる1ユーロ=129円81銭まで円高が進んだが、その後130円59銭まで円売りが進行。同時刻現在は130円50銭前後で取引されている。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル台半ばから後半でもみ合い。
みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「アベノミクス、日銀緩和への期待で株高・円安がワンセットになって進んできた中で、投資家がそのポジションを落とすときには両方を巻き戻す傾向がある」と指摘。一方、「リスクオンの時には調達通貨の円が売られやすくなる」と話していた。
日本株反発6日の東京株式相場は反発。朝方は小安く始まり、その後一気に下げ幅を拡大したが、午後にはプラス圏に浮上し、TOPIX、日経平均ともこの日の高値で引けた。
IG証券の石川順一マーケットアナリストは、先週末の米雇用統計のさえない内容を引きずって米QE(量的緩和)縮小観測が小康状態となる中、今週は米国で重要指標の発表が少ないため、米国外の材料が注目になると指摘。特に週後半に発表される中国指標がポイントで、「景気減速リスクが改めて確認されれば、株式市場にとってネガティブ要因ということで円買いが強まるし、強い指標が出れば再びクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心に円売りが強まる」と話した。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこの日、政策金利を0.25ポイント引き下げ 、過去最低の2.5%にすると発表した。結果は予想通りで、結果発表後、豪ドルは急反発した。
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更新日時: 2013/08/06 15:43 JST