(2011年 11/5)
陸上自衛隊第7師団(東千歳駐屯地)に配備された90式戦車などの公道走行が、6日午後9時から始まる。同駐屯地を出発し、市道や国道などを走り、7日未明に約30キロ離れた苫小牧港・西港に到着する。使用する埠頭は勇払埠頭で、民間フェリーに積み込んだ後、大分港に向けて出港。大分県日出生台(ひじゅうだい)演習場で10日から行われる大規模演習に参加する。
日出生台演習場では西部方面隊を主力に、第7師団のほか、中央即応集団の第1空挺団や第1ヘリコプター団などが参加。総勢約5400人、車両1500両、航空機約30機が、島しょ防衛などを想定して演習。第7師団からは、第11普通科連隊や第73戦車連隊などの隊員約410人、車両120両が参加。90式戦車が、九州の演習場に行くのは初となる。
90式戦車4両と89式装甲戦闘車10両、96式自走120ミリ迫撃砲2両、87式自走高射機関砲2両、戦車回収車2両の走行ベルト車両計20両が一定間隔を保ちながら公道を走行する。前後には誘導車を配置し、合計62両となる。
市道東大通から市道祝梅通、国道337号、国道36号、道道静川美沢線、国道234号、道道上厚真苫小牧線を走行し、7日午前0時50分ごろに苫小牧港・西港の勇払埠頭に到着する見込み。
同師団によると、振動・騒音対策として住宅街では時速10キロ、郊外では20キロで走行。走行ベルトにはゴムパッドを装着する。国道と道道8カ所で騒音を測定するという。また、千歳と苫小牧市内の27カ所に、隊員を配置して安全確保を図る。
戦車の公道走行に対し6日夜、千歳市内では千歳平和委員会、苫小牧港の軍港化阻止実行委員会、安保破棄北海道実行委員会のほか、北海道平和運動フォーラムなどが抗議行動を予定している。