「沖縄の空がいかに危険か改めて証明された」。沖縄県宜野座村のキャンプ・ハンセンで5日起きた米軍ヘリの墜落事故。現場の演習場は住宅地から約4キロしか離れておらず、住民は口々に不安を語った。事故は折しも、米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場(同県宜野湾市)への追加配備を強行する最中に起きた。「この上オスプレイの配備を進めていくことは許されない」。県民からは怒りの声が上がった。【平川哲也、青木絵美、尾垣和幸、大島祥平】
宜野座村企画課の新里清次課長は5日午後4時5分ごろ、役場3階の窓越しに音もなく立ち上る黒煙を見た。役場の北、高速道路を隔てた古知屋岳山麓(さんろく)。「落ちたのは米軍ヘリではないか」。戦慄(せんりつ)を覚える間もなく、沖縄防衛局や県警に連絡した。基地内に広がる森林に上った黒煙がやがて白く色を変えるころ、山に走る米軍の緊急車両が目に入った。「間違いない。米軍のヘリだ」
同村の建設会社に勤める男性は、同僚が道路工事現場からヘリの墜落を目撃した。同僚は「飛び方が変だったのでおかしいなあと思った。少し目を離して振り返ったら山から黒い煙が上がっていた」と話していたという。
介護のため同村惣慶の実家に住む父親(96)を訪ねていた沖縄県名護市の主婦(64)も山から上がる黒煙を見た。「山火事ではないか」。実家前の道路は実弾訓練を実施する基地内に通じている。この日午後6時前のニュース速報でヘリが墜落したと知り「命があって良かった。もしも街中だったら……」と息をのんだ。
宜野座村の無職、浦崎康克さん(70)は「墜落現場のすぐ近くでは米軍ヘリが普段、離着陸訓練をしていて騒音もある」と話した。村役場によると、現場の数キロ南側には住宅地があり、昨秋以降、何度もオスプレイが飛行訓練する様子も確認されている。追加配備も進む中での事故に、浦崎さんは「日本政府は沖縄に負担を押しつけ、バカにしている。許せない」と憤った。