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日本が核不使用に賛同しなかった理由

2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、「いかなる状況下でも」核兵器が再び使用されないことが人類生存のためになるという内容の声明が発表された。日本は、これに署名しなかったという。ここに至るまでの日本を取り巻く核兵器のこれまでを振り返る。

更新日: 2013年04月25日RSS

yanagy23さん

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日本が、核不拡散条約の新たな声明に署名しなかったことが大きな話題となっている。

ジュネーブで開催されているNPT(核拡散防止条約)再検討会議の準備委員会で、核の不使用をうたった共同声明が発表された

日本が、この声明に署名しなかったため、NGOなどから批判の声が上がった

核不使用声明の内容

「広島、長崎への原爆投下や核実験によって、これまで甚大な被害がもたらされた」

「核兵器の使用によって、直接に人が死ぬだけでなく、社会や経済の発展は停止し、環境は破壊され、将来の世代は健康や食糧や水を失うことになる」

「核兵器の不使用は核廃絶によってのみ実現できる」

声明に対する各国の動き

【声明に賛同】
南アフリカやスイスなど70カ国以上

【声明に賛同せず】
核保有国の米国、中国、ロシアや、唯一の被爆国である日本など

準備委員会が始まる前に、共同声明に賛同するスイスが日本に賛同するようにするため、「核兵器使用の非合法化」の表現を削除した

南アフリカ代表団も、日本に賛同を呼び掛けていた

核兵器廃絶への行動を各国代表に働き掛けるため、広島市の松井一実市長、被爆者団体メンバーらも現地入りしていた

日本が賛同しなかった背景

軍縮会議日本政府代表部の天野万利大使は、署名しなかった理由についてこう説明している。

「核兵器が使用された場合の影響が非人道的なものだという点では賛同している」

「しかし、いかなる状況でも使用しないとしている点が、日本の安全保障政策と相いれない」

「いかなる状況下でも、という表現は強すぎる」

日本が、アメリカのいわゆる「核の傘」で守られていることを署名をしない理由のひとつとして挙げた

署名について検討した外務省では、アメリカの提供する「核の傘」への影響や、核使用をちらつかせる北朝鮮への抑止力低下につながりかねないとして一部に反対論が出ていた

外務省関係者は、「“いかなる状況下においても”との文言があったが、日本を取り巻く安全保障状況を考えると、少しふさわしい表現ではないのではないかということで、見送ることを決めた」とした。

揺れ動く日本の核兵器保持についてのこれまで

広島と長崎に原爆が投下。
日本は、唯一の被爆国となった。

【1957年】
岸首相が、憲法の9条の解釈で、攻撃的な兵器を持たないが、防衛的な兵器は持つことができるため、「日本が防衛的核兵器を持つことは許される」と発言した

【1959年】
佐藤首相が、「私は、日本は核武装すべきだと思う。しかし、国民感情としてはしない、したがって、日本としても核兵器を所持しようとは思わないが、代わりにアメリカの核の傘の保障が必要である」とアメリカ大統領に発言した

【1967年】
佐藤首相が、日本は「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を示した

翌年に、核政策の4本柱を表明(非核三原則、核廃絶・核軍縮、米の核抑止力依存、核エネルギーの平和利用)。

【1964年】
中国が、最初の核実験に成功し、核保有国となったことを表明した

【1970年】
日本は、核兵器の拡散防止を目的としたNPT(核兵器不拡散条約)に署名した

核保有大国(ロシア、アメリカ、フランス、イギリス、中国)だけが核兵器を保有することが認められている条約。

【2006年、2009年、2013年】
北朝鮮は、これまでに3回核実験を行った

【2013年4月8日】
北朝鮮メディアが「北朝鮮政府が、日本はすでに我々の革命武力の標的に入っており、戦争の火花が散れば、日本も無事ではないと警告した」と伝えた

3月11日に朝鮮戦争休戦協定を白紙化し戦時状況になったとし、ミサイル攻撃目標として、米国本土やグアム、韓国大統領府、日本の米国基地などを挙げた。

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yanagy23さん

気になった話題をまとめています。少しでもお役に立てると嬉しいです。

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