福井県大野市中心部の広範囲で、26日夜から27日にかけ、蛾(が)の一種のマイマイガが大量発生した。27日は早朝から六間、七間、三番など各通り沿いの商店や民家で、市民が壁、軒下など建物に張り付いた成虫や卵塊を取り除く作業に追われた。勝山市でも同日、旭町2丁目の国道157号交差点周辺の電柱、店舗の壁などに発生が見られた。
マイマイガは体長3〜6センチで、樹木や建物などに産み付けられた卵塊で越冬。5月ごろからふ化して幼虫に、7月末から8月上旬に羽化して成虫になる。成虫は羽化から7〜10日で死ぬ。
街路灯などの明かりに誘われて集まったとみられ、大野市は27日、大量発生したこととマイマイガの習性、駆除方法をホームページや回覧で通知した。ただ市街地では農薬の散布が難しいこともあり、市は駆除など対応を市民に求めている。
県自然保護センターの水谷瑞希企画主査は「理由は分からないものの大野の山の木々に、幼虫が大量にいたことは確認していた。成虫や卵塊の細い毛は毒性が弱く神経質になることはないが、じかに触れないよう気を付けるに越したことはない。特に卵は翌年の発生を防ぐためにも見つけたら取り除いてほしい」と話している。
大野市によると、25日にマイマイガの成虫が建物の壁などに張り付いていると、六間通り沿いの商店から連絡が入った。27日には旧市街地の大野地区から下庄地区の一部で広範囲にわたって発生が確認され、市役所に駆除の問い合わせや相談が数件寄せられた。
三番通りで洋品店を経営する土橋英二さん(71)=大野市元町=は「何年か前にも発生したことがあるが、ここまで大量なのは初めて」と驚く。各通りでは水圧洗浄機やほうきで、建物などに張り付いた成虫を落としていた。