福島第1原発事故で国の「汚染状況重点調査地域」に指定されている岩手県一関市は5日、除染の必要性を把握するため、住宅や事業所約2万1000戸を対象に実施した「空間放射線量調査」の結果をまとめた。平均線量が国の基準値の毎時0.23マイクロシーベルト以上となったのは21戸で、最高値は毎時0.28マイクロシーベルトだった。
調査対象は市が2012年5月に策定した除染実施計画で定める一関、花泉、千厩、東山など19地区の住宅と事業所。雨どいなど、局所的に基準値を上回った場所は6137カ所あった。同時に行った市道調査で平均が基準値以上となったのは11路線だった。
市は基準値以上の21世帯で年内をめどに除染を実施。局所的に高い線量が測定された場所は自治会などの協力で年度内に除染される。市道は除染法を検討する。
これらの作業に伴い、除染実施計画の期間を現行のことし8月末から来年3月末に延ばす。