8月5日の米国マーケットサマリー:ドルは対円で続落、株は反落
8月5日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3260 1.3276 ドル/円 98.30 98.94 ユーロ/円 130.34 131.34 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,612.13 -46.23 -.3% S&P500種 1,707.14 -2.53 -.1% ナスダック総合指数 3,692.95 +3.36 +.1% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .30% +.00 米国債10年物 2.64% +.04 米国債30年物 3.74% +.05 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,302.40 -8.10 -.62% 原油先物 (ドル/バレル) 106.49 -.45 -.42%◎NY外国為替市場
5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で続落。投資家は米金融当局が緩和策を縮小させる時期を見極めようとしている。
先週発表された7月の米雇用統計で雇用者の増加幅が市場予想を下回ったことがドル売り材料。この日の円は上昇。日本株が下げ、安全資産としての円の需要が高まった。英ポンドは上昇。英国では7月のサービス業活動がエコノミスト予想を上回るペースで拡大した。ニュージーランド(NZ)・ドルは下落。中国がニュージーランドのフォンテラ・コーポラティブ・グループから粉ミルクの輸入を停止したことが影響した。
ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替ストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「雇用統計は最良の内容ではなかった。さらに米当局はいつ緩和策を縮小するのか、その見通しをまったく示していない」と述べた。「今週は日本銀行が金融政策会合を開く。日銀が近く何らかの措置を講じるとは考えていない。従ってそれも一連のクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)での根固めの理由としてあり得る」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時29分現在、ドルは対円で0.5%下げて1ドル=98円48銭。ドルは対ユーロで0.1%上昇して1ユーロ=1.3260ドル。円は対ユーロで0.6%上昇して1ユーロ=130円58銭。
◎米国株式市場米株式相場は前週末に付けた最高値から反落。サービス業活動を示す指標が予想より強かったほか、地区連銀総裁の発言を受けて、金融当局の債券購入縮小が近いとの見方が強まった。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前営業日比0.2%安の1707.14で終了。ダウ工業株30種平均は46.23ドル(0.3%)安の15612.13ドルで終えた。
グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド最高投資責任者(CIO)は「何よりも市場参加者は一服しており、非常に積極的な上げ相場の後の小休止だ」と話した。
◎米国債市場米国債相場は下落。米サービス業の景況が予想以上に拡大したことが景気回復の新たな兆候と受け止められ、年内に金融当局による債券購入の縮小が始まるとの見方が広がった。
週間ベースでみると、米国債は過去2週間を軟調 に推移。7月の米雇用統計では雇用者数の伸びが予想を下回ったものの、債券購入の縮小を可能にするほど十分なペースで景気は拡大しているとの見方が背景にあった。ダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、資産購入プログラムの縮小に近づいていると発言。米財務省は今週、3年債と10年債、30年債の入札(合計720億ドル)を予定している。
CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「9月の縮小開始はいまだに大方のコンセンサスだ」と語る。「最近出た一連の強い経済統計がそれに反映されている。今週の四半期定例入札を控えて、利回りは上昇傾向にある」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時1分現在、10年債利回り は前営業日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.65%。同年債(表面利回り1.75%、償還2023年5月)価格は13/32下げて92/ 11/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は5営業日続落。5月以来最長の連続安となった。ドルの堅調を背景に、代替投資としての金買いが後退した。
ドルはこの日、対ユーロで一時0.4%高。金は年初から22%下落、ドルは同期間に対主要10通貨で4.2%上昇している。米金融当局が緩和策のペースを減速するとの見方も、価値保存手段としての金買いを控える要因となった。
ヘラエウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク)のバイスプレジデント、デービッド・リー氏は電話インタビューで、「対ユーロでのドル上昇が金への売り圧力になっている」と指摘。「米当局による一段の明確さが望まれる中、様子見姿勢も見られる」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前週末比0.6%安の1オンス=1302.40ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油相場は続落。リビアの増産計画が売りを誘った。またイランのロウハニ新大統領は就任宣誓の演説で、過激主義を退け穏健なアプローチをとると公約した。
リビアのアルシ石油相は首都トリポリで、月間産油量を現行の日量70万バレルから9月には80万バレルに引き上げるだろうと述べた。別のリビア当局者によると、マルサブレガ港は操業を再開した。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は先週、リビアからの輸出減少を材料に2.1%値上がりしていた。イランのロウハニ大統領は前日、石油輸出の解禁を欧米諸国に訴えた。
エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「リビア石油相による増産発言が伝わるとすぐ、相場は1ドル下げた」と指摘。「先週の上昇を支えてきたリビア輸出への懸念がこれで和らいだ」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前営業日比38セント(0.36%)安の1バレル=106.56ドルで終了。一時は1.24ドル下げる場面もあった。
更新日時: 2013/08/06 05:32 JST