Updated: Tokyo  2013/08/06 07:29  |  New York  2013/08/05 18:29  |  London  2013/08/05 23:29
 

米国株:反落、連銀総裁発言とサービス業指数で緩和縮小観測

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  8月5日(ブルームバーグ):米株式相場は前週末に付けた最高値から反落。サービス業活動を示す指標が予想より強かったほか、地区連銀総裁の発言を受けて、金融当局の債券購入縮小が近いとの見方が強まった。

パルトグループやD.R.ホートンなど住宅建設株が安い。パイパー・ジャフレーが投資判断を引き下げたクアルコムは下落。一方、タイソン・フーズは大幅高。決算が予想を上回った。

S&P500種 株価指数は前営業日比0.2%安の1707.14で終了。ダウ工業株30種平均は46.23ドル(0.3%)安の15612.13ドルで終えた。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド最高投資責任者(CIO)は「市場参加者は一服しており、非常に積極的な上げ相場の後の小休止だ」と話した。

S&P500種は先週、1.1%上昇し、初めて1700を上回った。年初からは20%上昇。ブルームバーグがまとめたデータによると、予想株価収益率(PER)は15.5倍と、過去5年の平均である13.9倍を上回っている。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、米金融当局が月間850億ドルの債券購入を縮小させる時期は近づいていると指摘し、緩和策に依存しないよう投資家に呼び掛けた。

「プットに慣れ過ぎ」

フィッシャー総裁はオレゴン州ポートランドで講演し、相場が下落すれば信用が緩和されるという「米当局の『プット(売る権利)』と一部で呼ばれる考え方に金融市場は慣れ過ぎた可能性がある」と指摘。「当局が無制限に相場を支え続けると期待するようになった向きもある。これは金融資産の価格をゆがめ、深刻な資本の誤配分を招く恐れがある」と続けた。

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合景況指数は56と、前月の52.2から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は53.1だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

予想を上回る決算もここ数週間、株価を支えている。ブルームバーグがまとめたデータによれば、第2四半期の決算を発表した393社のうち74%で利益が予想を上回った。第3四半期の増益率予想は3.3%、第4四半期は9.9%となっている。

S&P500種のセクター別では全10業種のうち8種が下落。公益事業株と工業株の下げが目立った。一方、情報技術(IT)と生活必需品は上げた。

住宅建設株

S&P住宅建設株 指数は1.9%下落。構成する11銘柄全てが下げた。RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ロバート・ウェテンホール氏は受注減速と金利上昇の可能性を受け、投資家の心理が一段と悪化する可能性があると指摘した。

クアルコムは0.8%安。パイパー・ジェフレーは高価格スマートフォン(多機能携帯電話)の部品の需要低下を投資判断引き下げの理由に挙げた。

バークレイズの米株式戦略責任者、バリー・ナップ氏は年末時点のS&P500種の予想を1525から1600に上方修正した。これはブルームバーグがまとめたストラテジスト17人のうち下から2番目に低い予想と同水準で、先週末の終値から6.4%下落することを示している。同氏は9月にFOMCが資産購入を縮小すると予想、S&P500種は自身の予想をいったん下回ってから安定するとの見通しを示した。一方、経済統計の改善で年末予想を上方修正する必要性が生じたことも認めた。

原題:U.S. Stocks Fall From Record Amid Fisher Comments,Services Data(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Nick Taborek ntaborek@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/06 06:42 JST

 
 
 
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