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【福島原発事故】福島第一 緊急時用タンクへ移送 汚染水対策 3週間の猶予東京電力福島第一原発で、処理した汚染水の貯蔵先がなくなってきた。敷地内に約二十万トン分の貯蔵タンクを設置したが、既に残り容量は一万トンほどしかない。一カ月ほどで満杯になる計算だ。このため、東電は近く緊急時用の中・高濃度汚染水タンクに一時的に処理水の一部を移し、空いた容量でしのぐ計画を立てている。 福島第一では、建屋地下にたまった高濃度汚染水から放射性セシウムを除去し、原子炉を冷やす水に再利用している。だが、建屋に地下水が入り込んで汚染水を増やし、再利用しきれない処理水が発生してしまう。 その量は毎週千五百〜三千トンに達する。東電はタンクの増設を重ねてきたが、それも限界に近づいてきた。 そこで、東電は昨年末に高台に完成し、空の中・高濃度汚染水用タンクに目をつけた。東電の担当者は「完成してから、まだ一度も使ったことがない」と話す。容量は約七千二百トンある。
処理水六千三百トンをこのタンクに移せば、処理水用のタンク容量はざっと三週間分の余裕ができる。時間を稼ぎ、次の対策を練ろうとの作戦だ。 ただ、問題になるのは、移送先の中・高濃度汚染水用タンクは、除染装置が故障し、建屋から高濃度汚染水があふれそうになった時などを想定した緊急時のタンクという点。 もし、このタンクが満杯な状態で除染装置に異常が起きたりした時はどうするのか。東電からは回答は得られなかった。
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