【ソウル聯合ニュース】ソウルの日本大使館が庁舎新築を推進中だが、建て替え中の入居先探しが難航しているもようだ。日本大使館前ではデモや集会が行われることが多く、近隣のビル所有者が賃貸を避けるムードだという。
日本大使館は鍾路区中学洞にある現在の庁舎を取り壊し、地下3階、地上6階建てで新築する計画だ。大使館関係者は「今の建物は築40年近くで不便な点も多いため、数年前から新築を計画してきた」と話す。先ごろ韓国文化財庁から建物変更の承認を受け、鍾路区と実務協議を進めている。
一方で、新築工事中に一時入居する場所はまだ確保できていないようだ。周辺のあるビルの賃貸担当者は「数カ月前に日本大使館が2フロアを賃借しようとしたが、ビル所有者が難色を示し、契約に至らなかった」と明らかにした。
日本大使館前では、毎週水曜日に旧日本軍従軍慰安婦問題の解決を促す集会が開かれている。また、日本の政治家の問題発言や独島関連ニュースが報じられるたびに市民団体が抗議のために集まり、時には過激なパフォーマンスが行われる。日本大使館が一時入居するビルの前でこうしたデモや集会、記者会見が行われれば、ほかの入居者から抗議が起きたり、ビルのイメージが悪化したりすることが懸念される。
鍾路区の不動産業者も、同大使館が長期賃借者でも賃借面積が大きいわけでもなく、賃貸人の立場としては不都合な点のほうが多いと説明した。
日本大使館側は一時入居先の賃借に関して具体的な言及を避けている。