6か月近くかかってようやく発売の小説版クウガ。
響鬼と一緒に買ってきたけどあっちはまだ半分くらいしか読んでない。
クウガは自分が初めて見た仮面ライダーでもあり一番好きな仮面ライダーという事もあって期待と不安が半分ずつ。
結果的には面白くはあったけど納得できないところもあれば○○して欲しかったって言う願望もあったり。
以下続きから。
当時脚本を担当されていた荒川氏執筆ということもありアギトやオーズ・ダブルのようにすぐに頭で再生された。
変にパラレルや再構成することなく本編とリンクしてくれたその後であるということも嬉しい。
しかもアギトやフォーゼとも繋がっていない完全にTV版の続き。
最初の情報では13年後に白い戦士?って事でフォーゼ2話の都市伝説として出て来たクウガを拾ったものだと思ったから。
思えばゴ・ジイノ・ダや乙彼のエピソードも本編と繋がっていたから小説であってもリンクしているというのは必然だったのかもしれない。
○ストーリー
最初に書いちゃうと未確認生命体が復活する事が嫌だった。
小説と言う形で発売する以上何か事件を起さなきゃいけないし未確認と戦う話になると言うのは分かっている。
頭では分かってはいる、分かってはいるけれど五代が命がけで守った世界にまた怪人を出すのはやめて欲しかった。
高寺Pのこの考えの元でアギトは明確には繋がってない事になったし凄く共感できる考えだったから。
平成2期も違う場所で戦っているとはいえ一方で街の平和を救ったライダーがいてもまだ戦っているライダーがいると考えると素直に喜べないところがあるし。
だからディケイドまで世界観が完全に独立している平成1期ライダーは最終回が来たら本当に終わったんだと思えるから好き。
今回の小説版だけで被害者も最後の飛行機墜落で1000人以上は死者が出ただろうし荒川氏が書いてくれて嬉しい反面、嫌な出来事があっても自分の中で同人扱いできないと言うのがキツい。
他の平成ライダー小説も半分くらいは本編関わっていない作者やゲスト脚本・監修止まりの作品もあるから気に入らない事があっても
「本編書いた人じゃないから良く出来た同人みたいなもん」「まぁ公認なだけで小説版だし」と割切れるけどクウガは本編書いた荒川氏だし。
そういった私情を捨ててTV版のその後の小説として見ると非常に高い完成度。
本編にあった空気感は完全に再現され一つの出来事から未確認を追い詰めると言う刑事ドラマのような構成もそのまま。
犯人を追う構成としてはダブルも同じだけど、難しい用語やアニメキャラのような登場人物がいないおかげかダブル以上に小説を読んでいる気がした。
変身ヒーローの時点でラノベっちゃラノベなんだろけどこれまでの平成ライダー小説とは明らかに文章から伝わってくる雰囲気が違ったし。
登場人物のいる場所と時間まで表示されるのもTV版通りで素晴らしい。
2000年当時としても情報化社会とは言われていたんだろうけど現代はさらにハイテク化が進みゴの怪人2人もさらに。
殺害予告人数がダグバの3万人突破されて複雑だったけど現代技術や政治のパワーバランスを駆使すれば160万人もいけるのかもしれない。
ただの通り魔殺人で3万人のダグバが凄すぎるのかもしれないけど。
未確認に対する法律を変えたのは郷原だけど元となった誤射事件もこいつが仕組んだような気がしてきた。
怪人2人に違和感あったのは現代人として馴染みすぎているからか。
TVシリーズの刷り込みで「グロンギは日本語も喋れはするけどどこか片言」って言うイメージがあったからアイドルに政治家までやっているのはなんだこりゃ状態。
ゴ怪人の時点でPCを使いこなし「舐めんじゃねーよ!」とギャルみたいな言葉を使っていたからさらに長い間潜伏していた2人が完璧に元の人間を演じていてもおかしくはないんだけれど13年かけ刷り込まれたイメージからくる違和感は凄かった。
原発事故や震災の対応~って言うのはヒーロー小説としては限界ギリギリのテキストではないだろうか。正直良く出版通ったなと思った。
ここらへんリアリティ追求しているクウガならではだからかもしれない。
放送当時未確認が怖すぎるってクレームがあったから電車アナウンスに切り替えたって言うエピソードを見た時は製作スケジュールギリギリの割にはフットワーク軽いなぁと思ったしw
怪人2体は倒すものの復活したバラのタトゥの女には触れなかったしお馴染みのガミオの紋章にも触れず。
引っ張ろうと思えば引っ張れるようにしたんだろうか。
新しい話を作ろうとしても今回みたく「実はまだ遺跡が~」「未確認とは違う種族の殺戮部族が~」がいくらでも話広げられるし。
個人的にはガミオを出して復活したバラのタトゥの女を倒すと言う完全決着する話を見たかったので望んでいたものと違った小説ではあった。
○キャラ
これまでの平成ライダー小説としてはかなり特殊な作りで主人公=ライダーである五代の出番は本当に最後だけ。
出番が最後の章しかなかった映司でさえもっと出演ページ数多かったと思う。
それでも最後に駆けつけてくれた時の頼もしさや実加ちゃんに語りかける言葉は良い。
13年経っても心の傷癒えないのかよと思ったけどそれほどキツい戦いだったと思えば納得。
今回の戦でまた変身して殴ってだしテキスト通り以前のようになるのはさらに時間かかるだろうし。
やっぱり出番少ないのは寂しいし桜子さんやみのりにも会ってあげてよと思ったけれど
朝日の中に浮かぶ五代のサムズアップ……ほかに言葉など何もいらなかった最後を飾るこのテキスト。まさにその通りだった。
五代の出番が少ない代わりに一条さん出番がメインに。
変身しないだけで滝ポディションというか今なら確実に2号ライダーになっている人。
13年前携帯をマナーモードにするのも手間取ったは笑ったわw高校時代は辞典をゴミ箱に投げるとかww
結果的に白い2号は実加ちゃんが変身していたけれど一条さんに変身してもらって五代と一緒に戦うところも見たかったり。
幼少時代のエピソードがさらに掘り下げてあったのもポイント高い。
本編では病院で働くお母さんとのやりとりと小さいころにお父さんが亡くなったって言う事しか触れていなかったから。
他の警察の方々も出番があり杉田さんは好きなキャラだったので結構出番あって嬉しかった。
「パパを未確認から守ってくれたんだから絶対4号は良い人だよ」って言いきった娘さんも大学生になりプレゼント買って貰ったりとか。
娘さんのエピソードと言い街の人たちが白い2号を見て「ガキの頃話題になった未確認の良い奴に似てた」って言うのを見るに本当に13年経ったんだと実感する。
自分も当時小学校3・4年生くらいだったけどもう社会人。
周りの人とたまに仮面ライダーの話になっても「仮面ライダーは○○まで見てたけどクウガが一番面白かったなー」って人は多いし。
桜井さんも揃った刑事3人組が好きだったけど結婚じゃ仕方ない。
結婚式の料理でパンが美味しかったから決めたって言う小ネタはニヤリとしたw
マナーモードやパンだけでなく、クウガを見ていれば思わず「お?」となるネタや要素は多かった。
白いクウガ=グローイングを発表しなかったネタを拾って五代クウガ?とミスリードしたのは上手い。
杉田さんたちですら白いクウガ=4号と認識したのは「第2号!?」「いえ、あれは白い4号です!」以降だし確かに発表されてないんだよね。
以降グローイングになった事は何度かあったけど一般の人が見ている所では無かったはずだし。
○戦闘シーン
がかなり少なめで実加クウガと最後に五代クウガが駆けつけて戦うところくらい。
敵2体がゴの割にかなり弱いと思った。
アイドルのクラゲなんて上からコンクリート振ってきたとはいえ初戦闘のグローイング実加クウガにやられるレベルだし。
ライオ(郷原)も13年のブランクがある五代クウガの基本4形態相手に良い勝負。
バラのタトゥの女が言っていた「金の黒いクウガでも勝てるかどうか」の絶望感は凄まじかったけど、あの様子じゃライジング形態でも倒せるだろう。
金の黒いクウガってアメイジングマイティかと思ったらアルティメットかいw
バラのタトゥの女なら「究極の闇をもたらすクウガでも勝てるかどうか」とか言いそうだけど。
ドラマパートや13年後の人物たちにスポットを当てていたからバトルシーンはあまり期待しちゃいけないんだけど
ディケイド版でも小説ディケイドクウガ世界の雄介でもない、本当の五代雄介の戦いを見れたのは嬉しい。
特に燃えたのがライオ(郷原)との戦い終盤でのテキスト。
覚悟を決めた様子で赤のクウガはライオに渾身のライダーキックを繰り出した劇中では一度として仮面ライダーを名乗らずマイティやアルティメットフォームといった名称も出さない。
OPすら流さず異色作ばかりの平成ライダーの中で見ても異色のクウガで「ライダーキック」と言う単語が出て来たのは燃えた。
という訳で小説版クウガ。
やはり思い出補正が強すぎて面白さ・不満が半分ずつ。
けどアギト小説に続きお互いに繋がっていない事が分かって良かった。ここらへん配慮してくれて嬉しい。
これまたアギト小説でも感じたけど改めて技術の進歩を感じる。
テキストにもあったように未確認を追ったマーキングシステムは当時としては最先端技術。
それが今では個人が所有できるレベルになっていたりiPadが普通に出てきたり。
アギト小説でブログや動画投稿サイトなんて言葉も出て来たし。
13年経ってこれなんだからさらに13年経った2026年はどんな技術が発達しているんだろう。
- 2013/07/16(火) 22:56:23|
- その他特撮
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