《初めての2》 | |
[ 2回戦 ] 星稜 4 − 3 滝川第二(兵庫) 試合レポート | |
得点者:田宮(22分:星稜)、森島(30分:滝二)、本田(33分、50分:星稜)、森本(40分:滝二)、込入(60分:星稜)、岡崎(66分:滝二) | |
[ 3回戦 ] 星稜 1 − 0 那覇西(沖縄) 試合レポート | |
得点者:大畑(7分) | |
[ 準々決勝 ] 星稜 1 − 0 前橋商業(群馬) 試合レポート | |
得点者:田宮(31分) | |
ベスト4へ名乗りを挙げたチームの中で唯一、初の国立となる星稜。近年のレベルアップは凄まじく、とうとう全国制覇を狙えるところまでのぼり詰めた。しかし、難関は初戦に待っていた。12月に行われた抽選会で会場にどよめきが2度起こった。1度目は市立船橋(千葉)と東福岡(福岡)の対戦が決定した時。そしてもう一つは、星稜の対戦相手が滝川第二(兵庫)に決定した時だ。強豪校同士の対戦に、河崎護監督も思わず苦笑いを浮かべていた。 注目が集まった初戦は壮絶な点の奪い合いとなった。ともに攻撃的なチームが見せる、息もつけない激しい攻防に勝負をつけたのは、本田圭佑(3年)の左足だった。両サイド、中央、ピッチを広く使ったワイド攻撃は本田の左足から繰り出される緩急のついたパスから展開されていく。自ら切れ込み2得点をあげると強烈なFKからアシストも記録。守りに入るのではなく攻め入ることで4-3と競り勝った。 続く那覇西戦も、やはり攻撃的な両チームが見せた1点の攻防。前半8分に混戦から攻撃的なチームを陰で支え続けたMF大畑将徹(2年)のゴールで1点を奪うと、それ以後は激しい攻守の切り替えに、どちらに得点が入るか分からない怒涛の展開。「ベスト16は鬼門だった」と河崎監督が語るように、厳しいゲームにまたも競り勝って「やっとハードルを越えられた」(河崎監督)。 夢の国立をかけた前橋商業(群馬)との一戦は、絶好調の本田からのコーナーキックをMF田宮裕之(3年)が頭であわせて先制すると、その1点を守りきった。攻撃面に加え守備の強さも見せた星稜。それは初戦で滝川第二にサイドを徹底して攻略され3失点したことから得た教訓であった。サイドのケアをして本田を中盤のより攻撃的なポジションで起用し、勝負どころでボランチに下げる。そこからサイドの田宮や、出村健次(2年)の押し上げを生み出していく。接戦となっても守りに入らず、チームの特徴でもある攻撃的な姿勢を崩さない星稜。「(金沢は)田舎だけど、これだけやれる。エネルギーを与えられたら」と河崎監督はベスト4進出に手応えを感じながら、嬉しそうな笑顔を見せた。初の国立。やっとここまでたどりついた。自分たちらしさを失わず星稜は、初優勝へ向けて『初めての国立2勝』へ挑んでいく。 | |
《注目選手紹介》 | |
■本田圭佑(3年:MF) | |
星稜は10番本田圭佑(3年)に注目してもらいたい。ぴんと背筋をのばし、サイドや前線へパスを送る展開力が魅力のボランチは、攻撃的なチームのまさに“核”。「自分がヒーローにならなくていい。自分が持ちすぎたら(DFに)囲まれて取られてしまう。周りを生かしながらワンタッチでパスを出したい」と本田。ベスト4進出に「歴史は変えられた。あとは優勝」ときっぱり口にするあたりもエースとしての自覚ゆえ。国立までの時間をリラックスして過ごし、笑顔を見せる余裕がうかがわせながら、初の国立で本田は強気な姿勢をちらっと見せた。「うちは(ベスト8で市船に破れた)鵬翔ほど強くはない。だから気負う必要もない。(準決勝では)FKを決めますよ。(ペナルティエリア手前の位置で)ファウルしたら(対戦相手の)市船は、ヤバイと思って欲しい」。にやっと笑顔を見せながら、帰りのバスに乗り込む背中が頼もしく見えた。 | |
以上 | |
2005.1.7 Reported by 青柳舞子 |
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