Updated: Tokyo  2013/08/05 20:43  |  New York  2013/08/05 07:43  |  London  2013/08/05 12:43
 

ドルが98円台前半へ下落、日本株下落で午後に円買い強まる

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  8月5日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではドルが対円で1ドル=98円台前半へ下落した。前週末発表の米雇用統計が市場予想を下回り、ドル買い機運が削がれた中、日本株の下落を背景にリスク回避に伴う円買い圧力が強まった。

ドル・円相場は午前9時前後に98円80銭を付けた後、公表仲値が設定される10時前に一時99円15銭までドル買いが進行。しかし、99円台は定着せず、98円80銭前後でしばらくもみ合った後、午後2時半すぎからドル売り・円買いが強まった。ドルは一時2営業日ぶり安値となる98円33銭まで下落。4時5分現在は98円44銭前後となっている。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、「米雇用統計はすでに消化した感があるが、夏休み前でドル・円の上値が重い中、日本株も下落しており、テロへの警戒もあるので、下のストップ(損失を限定するためのドル売り・円買い注文)を付けにいった方が早い」と指摘。米国の金融政策については「依然として9月を中心に年内に緩和縮小を実施する可能性が高いとみている」と話した。

ユーロ・円相場も1ユーロ=131円台半ばから前半でもみ合っていたが、午後には131円台を割り込み、一時130円54銭まで円買いが進んだ。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル台後半と前週末のドル安値付近でもみ合う展開が続いた。

米雇用統計

2日発表された7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比16万2000人増加と、4カ月ぶりの低い伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は18万5000人増だった。前月は18万8000人増と、速報値の19万5000人増から下方修正された。家計調査に基づく失業率 は7.4%に低下した。

前週末の海外市場では米雇用統計の結果を受け、ドル売りが強まり、ドルは対円、対ユーロで統計発表前に付けていた7月25日以来の高値(99円95銭、1.3190ドル)から反落した。

上田ハーロー外貨保証金事業部の吉松武志氏は、「9月の米QE(量的緩和)縮小期待が後退した感は否めず、本日もドル売りの影響が残る可能性がある」と指摘。ただ、年内のQE縮小開始は既定路線との見方に変化はないとも言い、この日発表される米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数が強い結果となれば、「金融政策の方向性の違いから金利差拡大を意識したドル買い・円売りが徐々に強まる」可能性もあるとの見方を示した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、7月のISM非製造業景況指数は53.1と前月の52.2から上昇するとみられている。

円がほぼ全面高

5日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。TOPIX は前週末比11.43ポイント(1%)安の1184.74で引けた。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨中15通貨に対して前週末終値比で上昇。一方、ドルはまちまちで、ニュージーランド(NZ)ドルに対しては上昇している。NZドルは中国が乳製品世界最大手の同国のフォンテラ・コーポラティブ・グループからの粉ミルクの輸入を停止したことを受け、一時、約1カ月ぶり安値を付けた。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/05 16:10 JST

 
 
 
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