日本株3日ぶり反落、過熱感で金融中心売り-代金ことし最低
8月5日(ブルームバーグ):東京株式相場は3営業日ぶりに反落。前週後半の連騰を受け相場の短期過熱が警戒され、保険や銀行、電力など直近の上げが目立っていた業種を中心に売られた。原油市況安や円高を受け鉱業など資源、自動車など輸出関連株も安い。東証1部の売買高、売買代金 はことし最低だった。
TOPIX の終値は前週末比11.43ポイント(1%)安の1184.74、日経平均株価 は208円12銭(1.4%)安の1万4258円4銭。
アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、「先週後半の上昇は行き過ぎた感があり、いったん利益確定売りが出たようだ」と指摘。足元の企業決算の内容は決して悪くないが、「事前の期待が高かっただけに、さらに日本株を買い増していくほどのインパクトはない」と言う。
米労働省が2日に発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比16万2000人増と、4カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値18万5000人増を下回った。米雇用統計を受けたきょうのドル・円相場は1ドル=98円台後半と、前週末の東京株式市場終了時の99円60銭台から円高方向に振れた。
また、日経平均が前週後半の2日間で800円近く上げたことを受け、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオ (25日移動平均)は2日時点で126%と、買われ過ぎを示す120%を再度上回っていた。為替の円高に加え、短期的な過熱感も意識されやすい中、きょうの日本株は朝方から幅広い業種に売りが先行。その後も軟調な値動きが続き、結局日経平均はこの日の安値圏で終えた。
31業種下げる東証1部業種別33指数は保険、パルプ・紙、電気・ガス、鉱業、陸運、証券・商品先物取引、銀行、輸送用機器、精密機器など31業種が下落。前週後半に日本株が連騰した際の上昇率上位を見ると、保険が8%、電気・ガスが7.6%、銀行が7.1%などとなっており、こうした業種にきょうは売り圧力が強まった。
鉱業など資源関連に関しては、前週末のニューヨーク原油先物価格が前日比0.9%安と反落したことも嫌気された。決算を受けた個別の動きでは、4-6月期の連結営業損益が赤字だった日立造船とミツミ電機が下落。同四半期の営業利益が前年同期比減益で、野村証券が投資判断を下げたツムラも安い。
一方、繊維製品、倉庫・運輸の2業種は上昇。個別では、三菱ケミカルホールディングスとエチレンセンターを集約することに一部アナリストから評価の声が出て、旭化成が高い。SMBC日興証券が投資判断を「アウトパフォーム」に上げたコスモ石油、4-6月期が営業増益だったカシオ計算機、固定資産売却益により今3月期純利益見通しを上方修正した三井倉庫も高い。
東証1部の売買高は概算で19億9669万株と昨年12月12日以来、売買代金は1兆6431億円と昨年12月28日以来の低水準だった。値上がり銘柄数は611、値下がり1037。国内新興市場では、東証ジャスダック指数 が0.1%安の90.80と反落、マザーズ指数 は2.7%高の756.41と続伸した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 岩本正明 miwamoto4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/05 15:42 JST