今日の国内市況(8月5日):株式、債券、為替市場
(ブルームバーグ):きょうの国内市場の株式、債券、為替相場は以下の通り。
●日本株3日ぶり反落、過熱警戒し金融中心売り-売買代金ことし最低
東京株式相場は3営業日ぶりに反落。前週後半の連騰を受け相場の短期過熱が警戒され、保険や銀行、電力など直近の上げが目立っていた業種を中心に売られた。原油市況安や円高を受け鉱業など資源、自動車など輸出関連株も安い。東証1部の売買高、売買代金はことし最低だった。
TOPIXの終値は前週末比11.43ポイント(1%)安の1184.74、日経平均株価は208円12銭(1.4%)安の1万4258円4銭。
アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャーは、「先週後半の上昇は行き過ぎた感があり、いったん利益確定売りが出たようだ」と指摘。足元の企業決算の内容は決して悪くないが、「事前の期待が高かっただけに、さらに日本株を買い増していくほどのインパクトはない」と言う。
●債券上昇、雇用統計受けた米債高で買い-長期金利1週間ぶり低水準
債券相場は上昇。前週末の米国債相場が雇用統計を受けて上昇した流れを引き継いだ。需給の良さを背景に投資家から現物債に買いが入ったことが相場を押し上げ、長期金利は約1週間ぶりの水準まで下げた。
東京先物市場で中心限月の9月物は前週末比20銭高の143円56銭で取引を開始し、直後に143円78銭と日中取引ベースで7月24日以来の高値を付けた。その後は143円70銭を挟んだもみ合いが続いて、結局は36銭高の143円72銭で引けた。
みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、7月の米雇用統計は景気回復期待派にとっては失望だったとし、「発表前にショート(売り建て)にしていたので、逆の内容が出て買い戻しが入った」と説明した。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは「米雇用統計は市場予想に届かず、米金利の一段の上昇リスクが後退したことで国内債でも待ち切れずに買いが先行した」と話した。
●ドルが98円前半へ下落、日本株下落で午後円買い強まる-米雇用消化
東京外国為替市場ではドルが対円で1ドル=98円台前半へ下落した。前週末発表の米雇用統計が市場予想を下回り、ドル買い機運が削がれた中、日本株の下落を背景にリスク回避に伴う円買い圧力が強まった。
ドル・円相場は午前9時前後に98円80銭を付けた後、公表仲値が設定される10時前に一時99円15銭までドル買いが進行。しかし、99円台は定着せず、98円80銭前後でしばらくもみ合った後、午後2時半すぎからドル売り・円買いが強まった。ドルは一時2営業日ぶり安値となる98円33銭まで下落。4時5分現在は98円44銭前後となっている。
クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、「米雇用統計はすでに消化した感があるが、夏休み前でドル・円の上値が重い中、日本株も下落しており、テロへの警戒もあるので、下のストップ(損失を限定するためのドル売り・円買い注文)を付けにいった方が早い」と指摘。米国の金融政策については「依然として9月を中心に年内に緩和縮小を実施する可能性が高いとみている」と話した。
更新日時: 2013/08/05 16:16 JST